とある高校のプールで発見された、女子生徒の水死体をめぐるミステリー。
物語は、事件そのものよりも、その死を取り巻く“反応”に焦点を当てて進んでいきます。視点は関係者たちのあいだを次々と移り変わり、それぞれの立場から浮かび上がるのは、混乱する学校、言葉を失う友人たち、騒ぎ立てるマスコミ、そして関係のない人々までもが勝手な意見を口にする、まさに現実さながらの風景です。
女子生徒の死の真相よりも、自分が知りたいことだけを求め、心地よい言葉だけを拾って暴走していく人々の姿に、これはただの事件ではなく、“社会そのもの"を映すミステリーなのだと感じました。
この物語の辿り着く先を、最後まで見届けたいと思います。
角川学園ミステリー&ホラー小説コンテスト参加作品。
まさにミステリーであり心理ホラーなこの作品。
一人の少女の死について、近いようで遠い関係者が次々と一人称で語るだけの構成。
それが母親であっても、どこか遠い距離感があり、淡々と語られる状況だけが物語を勧めていきます。
群像劇の多視点構造。何気ない日常の描写が美しく描かれ、それがまた恐怖を醸し出していく。
才能って恐ろしい・・・
作者のロゼ先生は、異世界恋愛で第二回新人発掘コンテスト大賞を受賞したはずなのに・・・
ミステリーでここまで圧倒的なものが書けるなんて・・・天才です! うらやましい。
カクヨムでは本格ミステリーが読まれづらいとはいえ、もっとたくさんの方の目に触れて欲しい逸品です。
良作が埋もれたままになりませんように。