第34話 おねがい #好き放題
「負けた……このあたしが……」
「エイムは良いけど他の動きが雑すぎ。ワタシに勝つには練習が、足りないね」
「くそぅ……」
膝をついて悔しがるあたしにレヴィは追い打ちをかける。……反論してやりてぇとこだが、その通りすぎて何も言えねぇよ……!!
ってか練習が足りねぇのはてめぇがあのタイミングで勝負の誘いを仕掛けたからだろうが!!
とは言っても勝てると踏んで受けたのはあたしだ。結果は惨敗だったけど。
悔しさと屈辱で震える。
運も何も絡まない勝負だ。純粋にあたしは実力で敗北した。それだけは認めなければいけない。
認めた上で、あたしはコイツに劣っているという事実を認めない……!! 勝てば正義だ!! いくら負けても最後に勝ちゃ良いんだよ!!
そう決意を新たにしたあたしは、立ち上がるなり出口の方へ向かう。
「今日のところはあたしの負けだ。だが絶対いつか勝つ」
振り向きはしない。
敗者は華麗に去るまで、とドアノブに手をかけた瞬間──ポンッと肩に手が置かれた。
「何でも一つ、言うことを聞くんだよね」
「……ふっ、なんのことだ?」
あたしはペシッと肩に置かれた手を弾くと、とぼけた表情でしらを切る。
あたしに言うことを聞かせたいんだったら証拠を出すべきだな!! 口約束なんて幾らでも反故にできんだ。そう簡単にあたしが他人に尻尾を振ると思うんじゃねぇ。
「レイナちゃんは約束一つも守れない負け犬……勝負で負けて、約束から逃げ出すんだ」
「あぁん!? んだと上等じゃねぇかよォ!! 言うことを聞くぅ!? 言ってみろゴラ!! どんなことでもやってやろうじゃねぇかオイ!!!」
煽られて瞬く間に沸点が低くなったあたしは、半ば条件反射的にレヴィの言うことを聞くと言ってしまったのであった。
☆☆☆
「かわいいね♡ かわいいかわいい♡」
「………………っっっ」
あたしはピンク髪の少女……レヴィの膝の上で、借りてきた猫のようにジッとしながら頭を撫でられていた。
ハァ……!! ハァッ……! ハァ……ッ!
屈辱だ……ッ!! 屈辱だ!!!
コメント
・これどういう状況なん?
・勝負に負けたレイナがレヴィの膝の上で愛でられている
・草
・説明されても何が起こってるのか分からんw
・遂にロリコンの餌食になってしまったか……
・あのレイナが素直に約束を守るとは思わないけどな……
「煽ったら簡単に言うこと聞いてくれた。ちょろい」
「レヴィ・スケルトォ……!!!」
「怖い顔しないで」
「にゃ、にゃにしやがりゅ!」
むにっと頬をぷにぷにイジられる。
反撃は許されない。反撃したその瞬間に、あたしは約束を守れなかった負け犬としてレヴィに認識されるからだ。
こ、この屈辱に耐えきった先があたしの勝ちだ!
──膝の上に乗せて好き勝手しながらコラボ配信がしたい、なんていう馬鹿げたお願いを耐えきった先が!!!
コメント
・かわいい
・レヴィの初めての雑談コラボ配信がコレってマジ???www
・先輩に玩具にされるレイナである
・これも全部煽り耐性が低いのが悪い
・煽ったら何でも言うこと聞かせられそう
・これは同人誌が捗りますな……
「キモい妄想してんじゃねーよカスども!!!」
「人の枠で暴言を吐く悪い口はこれかな♡」
ぷにぷにツヤツヤの唇を人差し指で突かれるあたし。屈辱でおかしくなりそうだった。
ずっっと声音はハートマークが付いてそうなほど甘ぇって言うのに、いざ振り向いたら無表情なのが怖すぎる。……いや、あたし的には表情無いほうがありがてぇんだけど、それとこれとは別じゃボケ!
コメント
・これがおねロリか……
・一方的てぇてぇ……
・捕食されちゃったか……
・ふぅ……
揃いも揃って賢者になりやがってぇ……!!
あたしに発言権が無いコラボ配信はコラボと言えんのか? なぁおい。
誰でも良いから誰か助けてくれ!!!
コメント
・【サーヤ】ねっとりコラボしたんだ、私以外のヤツと
・【七色光】うーん、お仕置きが必要ですかねぇ
「お前らは帰れ」
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