第十四話
どうして私はトミヒ様に、あんなにヒドイことを言ってしまったんだろう。ケガをしていたとはいえ、せっかく私に会いにきてくれたトミヒ様に。その時、私は気づいた。自分の気持ちに。私はどうしようもなく、トミヒ様を愛していると。
なのにどうして、あんなにヒドイことを言ってしまったんだろう。その
そして、次の日の朝。あまり眠れず完全に
朝食をすませると私は、食材を買うために街に出た。まずはノリシさんの、肉屋に行った。すると
「おはよう、ナヒコちゃん! あれ、どうしたの? 何だか、元気が無いみたいだけど……」
実際、私は元気が無かった。理由はもちろん
「あ、いえいえ。大丈夫です、私は元気ですよ。さあ、今日のお
するとノリシさんは、ちょっと疑問の表情だったが答えた。
「そうかい? まあ、ナヒコちゃんがそう言うならいいけど……。ああ、今日のお勧めはねえ……」
そうして私はノリシさんが勧めてくれた肉を買って、次はイタケさんの魚屋に行った。イタケさんは今日もいつも通り、元気だった。
「おはよう、ナヒコちゃん! あれ、ちょっと元気が無さそうだけど、大丈夫? でも、大丈夫! 僕のお勧めの魚を食べれば、元気が出るから!」
マ、マズイ。イタケさんにも元気が無いことが
「はい! イタケさんのお勧めの魚を食べて、元気になります! なので今日のお勧めの魚を、教えてください!」
「お、いいねえ。元気が出てきたねえ。今日のお勧めの魚はねえ……」
そして私はイタケさんが勧めてくれた魚を買って、次にウキコおばあちゃんの畑に向かった。ひょっとしたらウキコおばあちゃんにも元気が無いことを見抜かれてしまうかも知れないので、私は初めから無理やり笑顔を作って
「おはようございます、ウキコおばあちゃん! 今日もおばあちゃんが作った、
すると目の前の野菜に
「アンタ、何かあったか?」
「え?」
私は思わず
「え? い、
だが私のその言葉を
「
す、
「ま、まあ、そうです。でも、どうして分かったんですか?」
するとウキコおばあちゃんは、フンと鼻を鳴らした。
「アンタみたいに若くて
「そ、そうですか……」
でもやっぱり、トミヒ様のことを話す訳にはいかない。なので私が
「まあ、あんまり
私は、聞いてみた。
「そ、そうですか。男と女は、そういうもんですか?」
するとウキコおばあちゃんは顔を上げて、ニッコリと
「そういうもんじゃ。アタシが若い
「そ、そうですか……」
うーん、やっぱり人生経験豊富なお
「ちょっと、待ちんしゃい」
「はい?」
「まあ、とにかくあんまり悩まん方がええ。悩みというのは時間が
「は、はい」
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