第十三話
でも次の瞬間、
「今度この食堂にくる時は、良い
「え? 大事な話?」
大事な話って、何だろう? でも、今は聞けなかった。それに、聞く必要も無いだろう。この戦争が終わったら、聞けるはずだから。私がそう考えているとトミヒ様は、「それじゃあナヒコさん、またきます」と言い残して
それからの三日間、私はボーッとしたりソワソワしたり
ハッキリ言って、こんなことは初めてだった。私はもう二十一歳だし、それなりに恋もしてきた。まあ、
そうして、三日目の夕方。今日もトミヒ様は、こなかった。
私は
「いらっしゃいませ、トミヒ様……」
でも私はトミヒ様を見て、
「ど、どうしたんですかトミヒ様?! その左腕は?!」
するとトミヒ様は、笑顔を作った。
「これですか? いやあ、
こ、攻撃を受けてケガをした?! トミヒ様が?! 私は、取り乱しながらも聞いた。
「そ、それで大丈夫なんですか、トミヒ様?!」
「ええ、まあ。
それを聞いて私は、
「そ、そうでしたか……」
そして、ふと思った疑問を聞いてみた。
「それではどうして、今ここにいるんですか?
するとトミヒ様は、
「いやあ。もしかしたらナヒコさんは、このケガを
その言葉を聞いた私は、頭から血の気が
「私が作った料理を食べてケガを治したら、どうするんですか?」
「え? 決まってますよ。もう一度、戦場に行って今度こそ我が軍がこの戦争に勝てるように指揮を……」
気が付くと私は、トミヒ様の言葉を
「ふ、ふざけないでください!」
するとトミヒ様は一体、何が起こったんだろうという疑問の表情になった。でも私は、続けた。
「私が作った料理を食べてケガを治して、また戦場に行く? ふざけないでください!」
トミヒ様はまだ疑問の表情のままだったが、私は続けた。もう私は、自分の感情をコントロールできなかった。
「私が今まで、どんな気持ちでトミヒ様がくるのを待っていたか知らないんですか?! もしかしたらトミヒ様の身に何かあったんじゃないかと思って、心配してたんですよ?!」
私は、死んだ人間とは二度と会えないことを知っている。どんなに強く、会いたいと思っても。私とお母さんが、もう二度とお父さんと会えないように。するとトミヒ様は、ようやく口を開いた。
「そうだったんですか、それはすみません……」
「私に
「え?」
「自分を大切にしてくださいと言ってるんです! 戦場に行って指揮を執っていれば最悪、死ぬことだってあるんですから!」
でもトミヒ様は、私の目を真っすぐに見つめて
「確かに、そうですね。でも私は、命をかけているんです。命をかけて、この百年続いている戦争を終わらせようとしているんです」
「それは分かります。でもそれじゃあ、私の気持ちは一体どうなるんですか?!」
「え?」
「もしトミヒ様が死んでしまったら、この戦争が終わったら私にしてくれるという大事な話を聞きたがっている、私の気持ちは
この言葉に、トミヒ様は何も言い返せなかった。その代わりに、「そうですね、すみません……」と言い残してドアを開けてこの食堂を出て行った。私はそのドアを、ボーッと見つめた。そしてすぐに二階に
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