第3話 竜と聖剣と素材回収
放課後、錬金術部の部室では、今日も問題の香りが漂っていた。
「……部長、それ、いったい何ですか」
部室中央には怪しげな魔法陣。そしてその傍らで、部長・真戸一番星が誇らしげに立っていた。
「よくぞ聞いてくれたルイくん。これはね、幻想生物召喚研究部からパクってきた召喚陣だ」
「堂々と犯罪宣言しないでください!」
「大丈夫だ。菓子折りのドラゴン肉持って謝りに行く予定だし」
「その菓子折りの中身が問題すぎる!というか行くの僕ですよねぇ?」
もはやツッコミが追いつかない。
「それよりルイくん、はい、これ持って」
「なんですかこれ?」
「何って聖剣(レプリカ)さ。聖遺物研究会からパクった聖剣を複製しておいたのさ」
「なんてことを! また謝りに行かなきゃいけないじゃないですか!」
「大丈夫さ、こそっと本物の方はちゃんと戻しといたから。実はそのレプリカのほうが性能いいんだぜ?」
「そういう問題じゃないでしょう、嘆かわしい……」
「さあ、いくぞ!」
部長が触媒を魔法陣に放り込むと、周囲に眩い光が溢れた。
その中心から現れたのは、黒き鱗と鋭い爪を持つ巨大なドラゴンだった。
「ふははははははは! 我を呼び出したのは貴様か!? よかろう、契約してや……」
「今だ!」
部長の掛け声と同時に、横から聖剣(レプリカ)を持たされたルイが飛び出す。
「もう知りませんからっ!!エクスッ! カリバーァァァ!!!」
振り下ろされた剣がドラゴンを真っ2つに裂く。
「グワァァァ!(死亡)」
「よし、やったぞルイくん! 素材ゲットだ!」
「僕はいきなり呼び出されて聖剣(レプリカ)を持たされて、ドラゴンを斬らされて。ドラゴンはいきなり呼び出されて「カリバー!!」されて……何に使うんですかこれ……」
「今日はみんなで鍋を囲もうと思ってね☆」
「ええぇぇ!?」
素材回収と称したドラゴン狩りもとい食材ハントがこうして錬金術研究部の日常に組み込まれていくのだった。
「さあ、テイクツーだ。次は野菜役を呼ぶぞ!」
「……嘆かわしい」
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面白いと思ったら★をつけてくださいますと嬉しいですわ。
あとがき的な一言の書き方ってこれであってんのかな?
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