近況ノートA:自分で自分の名を付ける

 こんにちは。久しぶりの近況ノートです。

 

 あらためまして、私は柑月渚乃と言います。

 

 柑月渚乃の読みは かんづきなの。生まれた瞬間から自分自身に名前を付けるなんてこと普通あり得ないですが、こういうのは許されるみたいですね。今回はそういう話をしようと思います。

 

 柑月渚乃という名前は私の感性の集合体です。

 

 「柑」で嗅覚・味覚、「月」で視覚、「渚」で聴覚・触覚。

 という五感を使った形で小説らしい名前になるように意識しています。多分これだけでも物書きなら、ここで言う“小説らしい”とは何のことかすぐ分かるんじゃないでしょうか。


 「月」という単語には色んな文脈があります。

 ――暗闇を照らすもの、手の届かないもの、地球にずっと落ち続けているもの、ライトに存在価値を奪われたもの、などなど。

 私にとって「月」はそういう象徴です。


 次に「渚」についてですが、海の声はどうしても海の真ん中では聞こえないものです。

 海の声は陸と海のその狭間、「渚」でしか聞こえない。ということから、ここでの渚にはそういう“特別感”を込めました。


  さて最後の「乃」ですが、この漢字は弦が外れて緩く垂れたままの弓のかたちから生まれたと聞きます。

 そこから、そのままって意味が漢字に付いたのだとか。このどこか力の抜けた感じが、私にはしっくりきます。


 


「柑月」は蜜柑と星。

「渚」は特別。

「乃」は自然体。


 名前を通して「特別で、でも未完成で。そして、どこか自然体でいたい」――そんな私らしさを表現してます。

 またそんな渚のような狭間で揺れ動くものというのが、未完成です。それは過去と未来、論理と情緒、理想と現実、そして大人と子供。

 

 ――17歳の暮れにもなって、私はまだ衣替えに苦労しています。

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