第3話 幽霊アパート


 近くの市に、昔から有名な幽霊アパートがあります。


 いつだったか、友人と話していたら、


「わたし、前、S市に住んでたんだけどさ。


 壁に変なシミとかあるなーって思ってたの。

 顔みたいな。


 で、或る日、寝てたら、とたたたって軽い足音がして、


 目を開けたら、頭の上から誰か覗き込んでるの。


 小さな女の子。


『私のお母さん知らない?』

って言うから、


『知らない』

って言ったら、そのまま何処か行っちゃった」


 あっけらかんと言った友達に、私は言いました。


「その話、聞いたことある。

 それ、S市で有名な幽霊アパートでは……」


「そうそう。

 そうだったみたい~」


 あははーと友人は笑います。


「そんでどうしたの?」

「ん? そのまま住んでた」


 世の中、神経太い人多いですよね……(^^;







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