白咲 白空(3)
―――――愛なんてないと思っていた。
「葉言。私、葉言が好き。」
「え、ちょ、理解が追い付かない…」
葉言は驚いた顔つきで私を見た。
「…今は恋愛感情がなくてもいい。…利用してよ。私を。」
―――私が心の隙間を埋めてあげるから。
「白空ちゃん、…いつから…」
「…あの日のこと、覚えてる?」
――――あの日、私、逃げたんだ。
怖くて、汚くて、どこか遠くへ行きたかった。でも、幼稚園児のくせに…生意気だ
けど子供なりに死にたくなったんだ。だから、私、雪も降っているくらいの真冬の
公園で、しかも夜中に遊具の中で寝てたんだ。
…でも、その作戦は見事失敗に終わったんだ。―――――
葉言は大きく目を開く。
「…葉言が助けてくれたから。」
―――――『大丈夫?風邪ひーちゃうよ?』
遊具から見えたのは同い年くらいの女の子の姿。
『帰りたく、ないんだ。』
女の子は笑う。
『じゃあ、ちょっと遊ぼうよ!!!』
女の子は近所の子らしく、家で遊んでいたら雪が降ってきたので夜だけどこっそり
出てきたらしい。そして…私がいた。
たまたま出会った女の子で、名前も家も知らないから、もう、会うことはないと思
っていた。
でも、
『緑上葉言です。よろしくお願いします…!』
小学校で再開した。…葉言は覚えていなかったけどね。―――――
「あの時の子、白空ちゃんだったんだね…。」
葉言は目に涙を溜めて笑った。
「葉言は私の希望だった。…私は…汚いから…。濁りのない葉言は私の支えだった。」
私は涙が出てきた。
「白空ちゃん。」
それと同時に体が葉言に包まれた。
「私、白空ちゃんには幸せになってほしい。」
「葉言…。」
私は葉言の背に腕を回した。
「白空ちゃん、いいの?利用しても。」
葉言は耳のそばでささやいた。
そんなの…決まってる。
「ウィンウィンの関係だよ?それってめっちゃ最高じゃん。」
私は笑みを浮かべた。
「葉言、愛してる―――――。」
葉言に再びキスをした。
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