如月さんは本当になびかない!

クラスで一番の美少女から偽の彼氏役を頼まれた。
ラブコメ小説でそんな出だしの作品を読んで皆さんは先の展開をどのように予測するでしょう?
「あ、偽の彼氏役ってのは照れ隠しで、ヒロインは主人公にベタ惚れで、速攻甘々ストーリーが始まるんだな」、そう思うじゃ無いですか⁉
この小説は違うんです。
評者は150話ほど読んだ時点でレビューを書いてますが、ようやく、やっと、偽彼氏、偽彼女の関係を終わらせ(別れて)、晴れて友達になれました。
え、本物の彼氏彼女じゃ無くて友達?と思うかもしれませんが、マジです。
でも、コミュ障陰キャの少年が、偽彼氏役頼まれたからって、そうそう距離詰められる訳無いよね。そこで距離詰められるほど器用なら陰キャやってないよね。
それにヒロインの如月さんは何やら家庭環境などに秘密があり、大きなトラウマを抱えている様子。
その秘密はまだ明かされていませんが、そこに踏み込んだ時、物語は大きく動くでしょう。
お互いに対人能力に難がある高校生男女が、それでもゆっくり、ゆっくり距離を詰めていくお話。なびかない如月さんがようやく主人公と友達になりたいと思うようになった、そこに至る道のりがあるが故の尊さを感じる作品です。

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