単なるモフモフものファンタージではありません。
単なる学園異能バトルものでもありません。
ポメラニアンのくーちゃんを中心とした学園生活の中に、登場人物それぞれ持つ尖った能力を駆使して、協力しながら戦っていく姿。そして、今だすべての全貌が見えない大きな闇。それらには、奥行きのある冒険譚を感じさせてくれます。
また、殺伐とした戦いの中に、笑いと、成長、そして何より『可愛さ』が同居した作品です。時々、『くすりっ』とすることも。
現代風のファンタジーではありますが、単に現代という漠然としたものを背景とせず、独自でしっかりとしと構築した世界観や緻密が設定があり、それも物語に引き込まれる要因となっています。
もふもふを、単なる相棒、戦いのための道具と捉えるのではなく、物語を進行させる主要素として扱っているのも見ものです。もふもふを乱発しないのも、とても好きです。
最後に・・・。
もう、くーちゃん、可愛いんです!
じゃれたりする仕草が、もう悶絶ものです!
どんな深刻な状況の中でもきっと立ち上がらせてくれます!
とても優しい文体で読みやすく、またこれからの展開も気になります。
楽しく読み続けさせて頂きたい作品です。
---
で、最後まで読みました。
うん、最高です。
読み終わって、最高に気持ちよかったです。お薦めです。
かつて愛犬を失った罪悪感を今も胸に抱える高校生——影山護。
ある日、夜遅くまで学園に残っていたところ、ヒロインの桜川エレナと彼女のパートナーであるくーちゃん(ポメラニアン)が通り魔に襲われている現場に遭遇する。
過去のトラウマもあって思わずエレナたちを庇う影山だったが、通り魔はタガが外れていたらしく、あっけなく凶刃に倒れてしまう——と思いきや、そのとき奇跡が起こった。
それはくーちゃんとの絆が異能として発現する奇跡——“ポメラニアン・コード”。
エレナの“癒しのコード”と影山が目覚めた“守護のコード”により、窮地を乗り越えた2人だったが、その日を境に影山たちは学園すらも蝕む怪事件に巻き込まれていく——。
影山の過去やくーちゃんなど、前作『放課後ポメラニアンは嘘を暴く』を知っている方であればどこか影を重ねてしまうかもしれません。
しかし本作の異能バトルは本格的で、流血描写も少なくなく、緊迫感のある展開が続きます。
かといってオモい世界観ではなく、少年少女の瑞々しさやモフモフの癒しパワーのおかげでバランスが取れています。
心理描写やその場の雰囲気を伝える文体も相変わらず卓越しており、さすがとしか言いようがありません!
このレビューは第15話時点なのでまだまだ分からないことだらけですが、追いかけたくなるエネルギッシュさがあります。
どうかご一読をお願いいたします!