まだ名前も知らない金髪小悪魔系美少女は、初めてデレたらしい。 後編
はーい、現場の四宮でーす。
私は今とても怒っています。
何故かって? そう、見つけちゃったんですよ。
さっきの男共の中に、推しのアンチがいました。
ただそれだけです。ですが、とても腹が立つので殴りに行こうと思います。
以上、現場からでしたー。
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なんで? 私は悪くない。なのになんで
「ねぇ〜今から遊びに行こうよ〜?」だとか、
「まあ、とりあえず連絡先教えてよ、放課後遊びに行こうぜ? あんな奴ほっといてさ?」
なんて言われなきゃいけないの?
別にイケメンが言うなら私だってついて行っちゃうよ?
けどさ、だけどさ、世間一般的にキモオタと言われる人たちに言われるのはきっついんだわ。
息臭いし。いやこれ体臭なの?どっちにしろ臭いし……。もうやなんだけど……
そんな事を思いながら逃げていると、行き止まりにたどり着いてしまった。
「やばっ」
「有栖川ちゃ〜ん? なんで逃げるのさ?」
「良いじゃん? 俺らと一緒に遊ぼーよ?」
そう言って、私の手を取る1人のキモオタ。
「やめてください! 死ね変態!」
もはやそう言うのは必然であり、実際オタも一瞬呆然としたのだが、すぐに
「ちょっと可愛いからって調子乗ってんじゃねえよ! 僕は……僕は本気なんだぞぉ!!」
と叫び、私の体を押さえつけようとする。
内心、私は終わった……と思っていたし、押さえつけようとしていたオタも、あ、これ勝ったわ。分からせられるわ。と思っていたのだろう。
そう、
「死ねクソ野郎がぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
ドロップキックでした。
「ぶふぉぉ‼︎⁇」
蹴られた左半身を押さえて悶えるキモオタ。
何が起きたのか理解できていない自分。
そして、
私を助けてくれた
「なぁ⁉︎ お前か? お前だよなぁ‼︎ 俺の嫁を罵ったのはよぉぉぉぉ‼︎ お前の軽率な発言でどんだけ傷ついたと思ってんだよ‼︎‼︎ てめーの顔の方がよっぽどブスなんだよ‼︎ そんな事もわかんねえなら引きこもってろカス‼︎ 死ね‼︎」
と言い、さらに1発顔をぶん殴ったカッコいい男の人。ヤバい、めっちゃカッコいいんだけどぉ⁉︎
え、しかもわ、私の事嫁って……⁉︎
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
泣きながら土下座して謝るオタ。なんかここまで来ると可哀想になってきたかも。
「え? 俺に謝るよりさぁ……もっと他に謝る人がいるんじゃないの?」
「は、はぃぃ‼︎ ごめんなさい‼︎ 有栖川さん‼︎」
こっちの方を振り向き、全力で頭を打ちつけるオタ。
正直まだ、と言うかほとんど許せるとは思えないんだけど、
「もう2度と私に近づかないで下さい。次近づいたら……分かりますよね?」
「はい! 分かりました! この度は大変申し訳ありませんでしたぁぁ!」
そう言って逃げ出すオタ、さて、他のオタはと言うと……まあ全員逃げてたんですけどね。
そんな事はどうだっていい。今は私を救ってくれた人と話したい。
「あ、あの、!」
「ん? あぁ、大丈夫? 手貸そうか?」
そう言って私の手を取る
「あ、ありがとうございます! 私、有栖川京華って言います!」
「俺は四宮虎太郎。まあなんか会ったら気軽に話しかけて。」
これが、私と
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