40 異変
反対サイドではマルグリットとルヴィノが模擬戦で魔法バトルをやっているし、ボルガ王は他の英雄たちや騎士、兵士たちを交え、兵法の談義をしているようだ。
宴の時はピリピリした空気も感じたんだけど、だんだんと互いのことを知り、打ち解けて。
バラバラだったみんなが一つにまとまっていく。
それは見ていて気持ちがいい光景だった。
この調子で、もうすぐやってくる魔王軍とも一致団結して立ち向かっていきたい――。
そんなことを考えていた、その時だった。
ず……ずずず……。
ふと足元の地面から、かすかな振動を感じ取った。
「……ん? なんだ?」
「どうした、ジルダ。集中が切れているぞ」
レナが歩み寄ってきた。
「いや、地面が揺れてるような……」
「……確かに、な。地震じゃないのか?」
と――、
ずずずずずずずずっ!
微細だった震動が、激しい揺れに変わった。
「やっぱり地震――?」
「いえ、魔力を感じるわ……これは自然現象じゃない」
訝しむ俺にマルグリットが言った。
と、訓練場に伝令の兵士が飛び込んできた。
「も、申し上げます! 王城の地下深くから、所属不明の魔導ゴーレムが多数出現! 王都の市街地に向かって進軍を開始いたしました!」
「魔導ゴーレムだと? まさか――」
レナの表情がこわばった。
「知ってるのか、レナ」
「……王城の地下には封印区画がある。そこに太古の魔法文明で造られた魔導ゴーレムが安置されているのだ」
レナがうめく。
「作動方法すら分からず、我が国の魔法技術者たちの長年の研究にもかかわらず、ほとんど何も解明されていない超兵器――」
「私も聞いたことがある。いずれ研究したいと思っていたわ」
と、マルグリット。
「――いえ、これから実地で研究できるわね」
「研究より、まずは迎撃だ」
俺は二人に、そして周囲の英雄たちに言った。
「俺たちの力を集めれば、必ずできる――」
「……すまない」
レナは中央に進み出て、全員に対して頭を下げた。
「我らバレルオーグの保有する魔導ゴーレムの暴走行為だ。国を守るため、どうか力を貸していただけないだろうか」
「何を水臭い! むしろ腕が鳴るというものだ!」
真っ先に叫んだのはドワーフのボルガ王だ。
「協力させていただく」
「魔王軍の侵攻に備えた前哨戦でござるな」
「ちょうどいい実戦訓練ですわね」
ガロウや三日月、ルヴィノも乗り気だ。
よし、この超ドリームチームの初戦は魔導ゴーレム迎撃作戦だ――。
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