「攻撃されたら俺の勝ち!」悪役転生特典でスキルポイント9999を【カウンター】に極振り→あらゆる攻撃を跳ね返すチートスキルに超進化したので、反射無双します。
25 【カウンター】解析実験(マルグリット視点)
25 【カウンター】解析実験(マルグリット視点)
王城内の作戦会議室は緊張感に包まれていた。
魔王軍との最終決戦を約三週間後に控え、騎士団や魔法師団の主だった役職の人間と重臣たちが集まっている。
学生でありながら『天才』の名をほしいままにしている彼女――マルグリット・ヴァ―ラインも、その一人だった。
「――以上が、現状で予測される魔王軍の戦力です。各自、対策案をお願いします」
議事進行を務める内務大臣が言った。
「今回の戦力の要は勇者だ。だが、彼を孤立させないよう、我が騎士団は前衛での新たな防御陣形の訓練に取り組んでいる。勇者ジルダをサポートし、彼の負担を軽減できるように」
騎士団長のレナが凛とした声で言った。
最近の彼女は以前にも増して溌剌としている。
精神的に何かあったのか、力がみなぎっているようだ。
「ありがたいよ、レナ」
勇者ジルダが微笑む。
「私は貴様の力になると決めたからな。騎士としてもそうだし、騎士団長としても――」
「私は、勇者の力の全貌を把握するべきだと思う」
マルグリットは二人の会話に割り込んだ。
「全貌を把握?」
レナが怪訝そうに眉根を寄せた。
「ジルダの【カウンター】は既に無敵だろう。スキルテストをする暇があったら、彼のスキルを利用した戦術を磨いた方がいい」
「私は、そうは思わない」
マルグリットが真っ向から対立する。
「無敵のスキルなどというものが存在するとは思えない。どんな力にも、必ず弱点があり、攻略法もある――ゆえに、彼のスキルを徹底的に調べる必要があると思うわ」
「【カウンター】に弱点や攻略法……? 私はそうは思えんが」
「どんな原理で発動して、どんな原理で攻撃を跳ね返すのか。跳ね返せる種類の攻撃は何か。跳ね返せない攻撃は存在するのか。スキル使用時の隙やリスクなどがあるのか。それらを一つ一つ解析し、弱点を徹底的につぶしていく――魔王は、そう甘い相手ではないのでしょう?」
「確かに……俺も自分のスキルのことを全部把握しているわけじゃないからな」
と、ジルダが言った。
「この際、最終決戦までにスキルをキチンと把握しておくのもアリかもしれない」
「むう……貴様がそう言うなら」
と、矛を収めるレナ。
「だから実験が必要なのよ。私とあなた、二人っきりで。たっぷり。じっくり。一夜を共にしましょう」
「ち、ち、ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マルグリットがジルダに告げると、レナが絶叫した。
「二人っきりだと!? 一夜を共にするだと!」
「一夜では足りないでしょうね。二晩でも三晩でも……」
「お、おのれ、破廉恥な!」
「い、いや、ちょっと待って、そういう意味じゃないし。マルグリットも誤解を招きそうな言葉をチョイスするのはやめよう」
「?」
レナもジルダも何を言っているのだろうか?
連日夜通しでスキルテストをしなければ、とても解明できないかもしれない。
ジルダの【カウンター】はそれほどまでに謎が多く、同時に彼女の知的好奇心をそそる代物だ。
「ジルダに変な真似をするなよ。いいな? 絶対だぞ!」
レナはまだ鼻息が荒い。
「ああ、そういうこと」
マルグリットはようやく合点がいった。
「あなたの気持ち……ずばり恋ね」
「はわわわわ……ち、違うぞ! 私は別に……その、あのっ……」
レナがたちまち顔を赤くして混乱する。
「いや、レナが俺に恋してるわけないだろ。マルグリットも変な冗談いうなよ」
ジルダが苦笑する。
「そう? でも、レナの態度は明らかに――」
「ちがーう! 違うからっ! それ以上言わないでぇぇぇぇっ!」
マルグリットが追及すると、レナはさらに絶叫したのだった。
会議が終わり、マルグリットはジルダとともに魔法学院の演習塔までやって来た。
この最上部にある研究施設を使い、彼のスキルの解明を行う予定だった。
間違いなく泊まり込みの研究になるから、食料や寝袋なども持参している。
ちょっとした旅行気分で、我知らずワクワクしている自分がいた。
「では、始めましょうか」
「俺は普通に【カウンター】を使えばいいのか?」
「ええ。まず私が各属性の攻撃魔法を撃っていくから、あなたは【カウンター】でそれを跳ね返してほしいの」
マルグリットはジルダに説明した。
「あなたが攻撃魔法を反射する際、この部屋の魔力の各種変化などが魔導機器に記録されるようにしてあるわ。これを解析することで、あなたの【カウンター】の仕組みを解き明かせるかもしれない」
「俺の【カウンター】って……要は超すごいスキルって認識なんだけど」
ジルダが言った。
「それ以外に何か秘密があるのか?」
「それは分からないわ」
マルグリットが答えた。
「単純に異常なまでにハイレベルなスキルというだけなのか、それとも――」
「それとも?」
「『それ以上』の何かなのか」
マルグリットは目を爛々とさせてジルダを見つめた。
「ち、ちょっと顔近くないか?」
「あ、ごめんなさい。知的探求心が抑えきれなくて」
マルグリットはクスリと笑ってジルダから離れた。
「そろそろ始めましょうか。人体実験……じゃなかった、スキルテストを」
「……今、明らかに人体実験って言ったぞ」
「うふふふ」
マルグリットは優雅に微笑み、さっそく呪文の詠唱を始めた。
実験、開始だ。
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