その97:初めての同棲生活!
言い忘れていたが私たちはあの日から、同棲をするようになりました!
「ちょっ……ちょっと! ここって、ほんとに二人で住むの?」
夏奈が玄関のドアを開けるなり、ジト目で私を見た。
「えへへ。うん、ちゃんと大家さんも許可済みだよ? ふたり暮らし、って」
私はニコニコ笑いながら、荷物を抱えて玄関に踏み込んだ。
狭い1LDK。だけど、二人ならぎゅっと近くなれる距離感。
キッチンもお風呂もトイレも全部近くて、まさに「密着生活」のはじまりだった。
「ベッド、どうするの……?」
「もちろん一緒に寝るんだよ?」
「っ……バカ!///」
夏奈はぷいっと顔を赤くしてそっぽを向く。
それがもう、可愛くてたまらなかった。
「ほら、かな。引き出しに下着入れていいよ?」
「なっ……さほのと一緒に入れろっていうの!?」
「もちろん♡ だって、同棲だもん」
夕飯は二人で買ってきたお惣菜。
でも一緒に並んで、箸をのばすだけで、なんだか特別に感じる。
「うちのカレーよりうまい……」
「へー? かなのカレーってそんなにまずかったの?」
「ちょっ、文句あるなら今度作ってやるからなっ」
笑って、拗ねて、つつき合って。
リビングに敷いたマットの上で、ごろんと寝転ぶ。
テレビの音も気にならないくらい、隣の体温だけがリアルだった。
「ねぇ、かな」
「ん?」
「今日から、私たち……ほんとに“家族”になるんだね」
「……」
夏奈は少しの間、黙っていたけど。
「……わかってる。責任、取るし」
「責任って! 結婚でもする気?」
「……ばか。するに決まってるじゃん」
私は黙って夏奈の手を握った。
それは言葉よりも確かで、ぬくもりがそこにあった。
『技その97:あの日の同棲生活完全スタート』
→ 共同生活=常に隣。空間も、生活も、心もひとつに。
成功度:愛情飽和、にやけ止まらんMAX。
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