タイトル通り、ネガティブな短歌がずらっと並んでいます。死、惰性、放棄などなど。不穏な言葉が次々と現れてくるのですが、短歌の韻律がそれらのマイナスイメージを中和してくれるので、読んでいると、なんだかラップを聴いているような心地よさを感じました。ネガティブ=ポジティブ?それとも、ポジティブ=ネガティブ?ネガティブという概念について、深く考えさせられる秀逸な口語短歌集。特に生きづらさを感じている人に、お勧めです。
心の深淵を丁寧にすくい上げた短歌たち。ネガティブ思考を否定せず、むしろそれらに真っ向から向き合う姿勢に苦味を伴った共感とやはり痛烈な痛みを覚えてしまいます。生の意味を問う反復や、言葉にできない苦しさが静かに胸に響き、読後に深い余韻が残ります。人生に必要なエッセンスだと思います。