第13話 先生、意外とえっちなんだね?

ヴェレムが去ってほどなくして、ラナとアスリナが並んで部屋に入ってきた。


ラナもアスリナも、まだ髪が濡れていて、湯気に頬を染めている。

そして──ふんわりと、石鹸と湯の混じった甘い香りが漂ってきた。


……なんだ、この感じ。

なんかいいな。

いや、ダメだ。

患者だ。


「おかえり。湯冷めしてないか?」

「平気平気〜♡ でも、アスリナがすごかった!

 体が熱くて、すぐ湯気立っちゃうの」

「竜族の体温はすごいな」

「それで、何かわかったか?」


アスリナの問いかけに、俺は顎に手を当てて少し考える。


「いや……魔力核の異常かと思ったが、そうでもない。

 体温変化に伴う魔力放出? いや、それとも──」


「じゃあ、あたしとリフレッシュする? なんかいいこと思い浮かぶかも♡」

ラナがからかうように笑い、アスリナが目をぱちくりさせている。


「セレンとラナは、つがいなのか?」

「──つがい?」


その言葉で、何かがかみ合った。

下腹部の濃い赤み。

触れただけで反応した肌。

適齢期──。


「……!」


俺の中に閃光のように思考が走った。


「そうか、発情期だ!」

「え、せんせぇが!? あたし、大丈夫だよ♡」

「違うっ!!」


ラナが目を輝かせ、アスリナはきょとんと首をかしげている。


「……よし、なんとなく糸口は見えた。

 明日、治療するぞ──アスリナ、協力してくれ」

「……うむ」


気を取り直して頷くアスリナの横で、ラナがまだ疑わしげに俺を見ていた。


「……せんせって、意外とえっちなんだね?」

「違うと言ってるだろうがあああああ!」


診療所に、俺の声が響き渡った。


***


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