第13話 聖夜の越境と身体の対話
悠人の部屋には、クリスマスツリーの小さなイルミネーションだけが瞬き、柔らかな光を投げかけていた。パジャマのボタンをゆっくりと外されていく悠人(ゆうと)は、もう抗う術を持たなかった。葵(あおい)の瞳には、これまで彼を翻弄してきた悪戯な輝きではなく、深く、そして切実な情熱が宿っていた。
深く重なり合うキスから、二人の身体は自然と求め合った。悠人は、葵の身体を抱きしめ、彼女の柔らかな温もりと感触を全身で感じた。葵は、悠人の腕の中で身をよじり、彼を誘うかのように、熱い吐息を漏らした。
悠人は、震える手で葵のパジャマのボタンをゆっくりと外していった。露わになる彼女のすらりとした体格は、柔道で鍛えられた悠人とは対照的な、しなやかな線を描いていた。そして、その下から現れるCカップの乳房は、彼がこれまで見てきたどの姿よりも、抗いがたい魅力を放っていた。湯気を隔てた風呂場や、水着越しに見た衝撃とは違う、より直接的で、柔らかな肌の温もりが、悠人の手のひらに広がる。彼は、純粋な異性としての欲望に、完全に支配されていくのを感じた。
悠人の指先が、葵の身体の隅々を辿っていく。手、腕、首筋、耳元、髪、頬、唇、そして柔らかな胸、引き締まった腹部、しなやかな腰、滑らかな太ももへと。触れる部位の順番が、まるで二人の関係の深化を語るようだった。服の上からでは想像するしかなかった肌の感触は、直接触れることで、その温もり、手触り、そして弾力を鮮明に伝えてきた。肌の微細な変化、僅かに開いた毛孔、熱を帯びた皮膚の感触に、悠人の指は敏感に反応した。
キスの合間に、悠人は葵の首筋に顔を埋め、その白い肌に唇を押し当てた。耳元に甘く吸い付くと、葵の身体が小さく震える。愛撫の途中でキスを挟むたびに、肉体的な快感と感情的な高まりが連動し、情動が段階的に盛り上がっていく。悠人は、触れる側の自身の意図──独占したい、全てを包み込みたいという願望が、彼の手の動きや口の動きに、声の動きに現れるのを感じた。
葵の身体は、悠人の触れる度に、熱を発し、微かに肌が粟立ち、息遣いが乱れていく。彼女の心の中で、相手からの行為に対する秘めたる願望と、それに抗う葛藤が交錯する。しかし、最終的には、その全てを受け入れ、身を委ねるように彼の指を受け入れた。
悠人の頭の中に、ふと、避妊具の存在がよぎった。親たちの「高校生である間は避妊してくれればいい」という言葉。しかし、目の前の葵の熱情と、彼女の身体が彼に求める声が、その理性を掻き消した。葵は、悠人の腰に足を絡ませ、彼を自身の上へと引き寄せた。この状況では、悠人が主導権を握り、避妊具を取りに行くのは困難だった。
そして、二人の中心が、熱く、そして粘り気のある潤いに満たされた秘部で、ついに一つになった。ゆっくりと、しかし確実に、熱くしっとりとした粘膜が悠人を受け入れる。吸い付くような密着感に、深い安堵と充足感が押し寄せた。それは、究極の一体感だった。柔らかな襞(ひだ)が彼の身体を包み込み、心地よい圧迫感と共に、甘い痺れが全身を駆け巡る。思考は遠のき、ただただ陶酔に身を委ねていく。聖夜の越境が、今、ここに成就した。
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