9日目
バセドウ病とな
高校生の時に診断を受けたけどなんにも知識がない。症状の自覚もない。
義理のお母様は元看護師さんでとても優しい方である。
妊娠した時に「バセドウ病あるならちゃんと治療を!」とオススメの病院まで教えてくださったので血液検査や投薬などちゃんと真面目に通った。何より自分ではなく子供の命がかっているし。
今思うと3人とも無事に産まれてくれたのはお義母様のおかげだ。
遠方だからあまりお会い出来ずお手伝いもままならない不義理ばかりをしてしまっているのにも関わず、栄養のあるものや、家事に必要な物、子どもたちの好きそうなものなどを送ってくださったり、彼女が入院となればたくさんのお見舞いを持ってすぐに駆けつけてくださった。
いつもいつも物理的にも精神的にもサポートしていただいてありがたい事この上ない。
子どもたちが文字を書けるようになってからは文通をしてくださっている。
ほんとに聡明で優しくちょっとぶっきらぼうなところがかっこいい素晴らしい方。
バセドウ病についてぼくが知っているのは
「首の蝶ネクタイ型の臓器くんが出さんでもいい量の甲状腺ホルモンを出しちゃうから身体が走り続けているみたいな状態が続いてしまって、めちゃ汗出て疲れるし腹が減る。あと目玉がでてくる。」
くらい。
これはひどい(笑)
とはいえあらかたシロウト知識としては間違ってもいないはず。
とりあえず日本内分泌学会さまのリンクをつけておく。
(日本内分泌学会
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40)
これに加えて「様々な症状」があることをしらなかったのだ。
上の日本内分泌学会さまのリンクから引用するとこの部分
「その他、炭水化物の多い食事をした後や運動の後などに手足が突然動かなくなる発作が起こることがあり(周期性四肢麻痺)、特に男性によくみられます。」
これじゃん。
両腕と上半身うごかないやつ。
半年前から打ってもらっているステロイドの点滴のソル・メドロールさま。
(日経メディカルの処方薬辞典のリンク
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/24/2456400D1067.html)
の副作用としてお医者様から
「・血糖値が上がりやすくなるから、糖尿病になりやすい状態になるから甘いものを避けること。
・カリウムをたくさん使うようになり、低カリウム血症というものになりやすくなるから積極的に摂取を。
・脂質と塩分代謝に作用してムーンフェイスになりやすいから注意。
・身体は休めるべきだけど筋肉はどんどん分解されるからせめて散歩程度の運動を。
」
とお話はお聞きしたので栄養管理と毎日の運動を徹底した。
そんなに知識はないけど大学で栄養学みたいのを学んだし、日々の子どもたちの栄養管理は面白くて興味は持ちづつけていたから。
もちろん栄養士さんみたいな知識や能力はない。あれは難しすぎる。管理栄養士さんたちはものすごい方々です。
家族とは完全に食事を分けた。
クリスマスケーキ、おせち、子どもたちの誕生日ケーキやごちそうだって笑顔で提供して自分は我慢だ。
血糖値の上がらない玄米小豆雑穀を主食にして、調味料はやめた。
根菜を中心に野菜をザクザク煮込んでスープにして調味料かわりに海藻を足す。もしくは蒸し野菜。
あとはタンパク質部門として胸肉と豆腐と納豆と血糖値を上げないタイプのプロテインを摂取。
おやつ部門は無塩のミックスナッツと砂糖の入っていないおからクッキー。
辛そうな食事制限に見えるかもしれないけど、これ全部ぼくの好物なのでなにも問題はなし。
むしろ家族ができてから自分の好きな食べ物を優先できる機会って少なかったから好き勝手に食べられてちょっと嬉しいくらい。元々胃腸も弱くて普通の食事を続けるとしんどかったのだ。
家族がお寿司とかごちそう食べてる横で野菜スープはちょっとせつなかったけど。まぁ絶食ではないし。ウム。
むしろ胃腸の調子は良くて快適な日々だった。ステロイドのおかげでアトピーも潜んで肌が荒れにくい状態だったから家族分+自分の分も作る調理に対するストレスも軽減されている。まさにチート。
そもそも鼻からの管を通した栄養のみだった彼女を思うと何も言えないし。カレーとかたこ焼きとか餃子とか匂いの強い食事の時嫌そうだったなとふと思い出した。しょうがないけどせつなかったな。
体力なんてほとんどなくなっていたけど、ほっとくと本当に筋肉がどんどんなくなるので毎日10分軽い筋トレ。
鍛えてもすぐいなくなるからまた鍛える。隙があれば歩くといってもスーパーなどを一周するとしんどくなってくるのでそんなには歩けていない。
動画サービスで色々な方々が色々な運動のやり方を配信してくださっているので本当に助かった。
良い動画に出会えれば家からでなくても初心者でも体力と知識がなくてとなんとかできる。
という生活でお医者様からの
「喘息はコントロールが大切だからていねいに暮して」
との指示を守っていた。守れていたと信じたい。
これでどうにかこうにか抗い続けた半年前だった。
さすがに彼女の葬儀のときは両家の親も集まるし、葬儀場何日もいなくてはいけないしそれどころではなかったし、体も心もズタボロで2ヶ月くらい破綻したけど。
そしたら帯状疱疹になって、卵巣に腫瘍が見つかって、手術が決まって、あれよあれよとドタバタしていたらまた喘息が悪化して一月半程点滴に通ってまた栄養と運動管理を徹底して。そして今に至る。
こうして書くとなんとか目の前においたブロックをフラフラ渡れていただけなんだろうな。
この道通ってきたんで大丈夫ッス!ってドヤっていたらそこ道路でもないし固定されてもいませんけど?みたいな。なんならロープじゃない?みたいな。
というわけでバセドウ病✕ステロイド副作用の最強タッグとバトルしていた可能性があるらしいという予想。
まさに年末のイベントにふさわしい豪華さではないか。やめてくれ。ぼくの年末の楽しみは格闘技よりも無人島でのとったどー!派だ。
今日は血液検査があるらしいので答え合わせがでるのか。
どきどき。
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