7日目

日中やリハビリ中はもうすでに疲れているからハァハァしやすい。

寝起きが一番体力があると思うから、試してみた。

お手洗いまで約5m歩いていって戻り、ベッドに腰を掛ける。そのまま座って背もたれ無しで維持だ。

やはり日中ほどすぐに息はあがらない。

けど少し息は上がる。

日中ほどバクバクはしないけどどんどんポカポカして汗ばんでくる。

10分間くらい保持していたら息苦しくなってきたのでやめた。

そのあとはベッドさまに半座位ってやつで身体をお預けた。

一番楽だと感じるし、リハビリでも心拍の数値の回復が一番早いとお墨付きをもらったので安心。


寝起きの状態で5m往復+10分ベッドに腰掛ける端座位。

これが今のぼくの絶好調なときの体力だってことだ。


やりたいことがあったり、まだ続けたいのに身体がついてきてくれないのは身体もだけど、心がつらい。残念だしせつない。

彼女はずっとこの“体力”ってやつが足りてなかっただろうからつらかっただろうな。

だから楽しいことや興味のあることは顔面蒼白になったり時には吐くまで夢中になっていたんだろう。

そもそも子供ってそういうものだ。

元気な子も電池が切れるように眠くなるまで夢中になって遊ぶ。

彼女の場合はその前に酸素濃度や心拍の数値が暴れだすんだ。

そしてそのあとは横にいるぼくをはじめ、看護師さんや理学療法士さん療育や学校の先生に抱っこをせがんで思いっきり甘えに甘えていた。

人に思いっきり甘えられる彼女はみんなに愛された。

具合が悪くなったって手を巻き付けながら抱っこをせがんできて、抱っこをしてもらえば腕の中でうっとりと見つめてくる彼女に勝てる訳なんてない。


彼女を愛してくれたたくさんの大人たちの腕は今のぼくの“パラマウントなベッド”よりも安心で安全な場所だったんだろうな。そうだといい。

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