水汲み再開
やってみることにした。
理学療法士さんには許可をとっていないけど、リハビリのおかげでハァハァとドキドキの回復のさせ方がわかったから。
起きている間で動けそうなときは寝ながらパタパタと動いて、ベッドにもたれて休憩を繰り返しているから、絶望するほど筋肉が落ちているわけではない。
その証拠に歩くときの姿勢が安定してきた。
背中を丸めてトボトボというよりは真っすぐ立ってスッスと歩ける。
なので看護師さんや助手さんたちもちらっと見るだけでぼくがウロウロするのを黙認してくれているようになった。
1日数回プラスチックのコップ2つに温かいお茶と氷が山積みの冷たいお水をベッドまで届けてもらえるけど、微熱だし、少し動くだけでびしょびしょに汗をかくし、お腹は空くからいつもより水分がほしい。
500mlのペットボトルに例のストローを付けて持ってきたけど、1日で1回か2回は飲みきれてしまう。
病室から約30mの所にある給湯器で備え付きの紙コップに水をくむ。
紙コップに水が貯まる間も立っていられるようになった。
3回か4回汲めば500mlのペットボトルは満タンだ。
最後に温かいお茶を紙コップに汲んでそれぞれ両手に持って部屋へ戻る。
そしてまたベッドに腰掛ける。
深呼吸を意識する。
あまりハァハァしなくなった気がする。かわりに身体がポカポカだ。
ポカポカして汗ばんでくるとハァハァしてくるからベッドに戻る。
目的もあるしちょうど良いかもしれない。
一番まずいのはこの“パラマウントなベッド”を連れて帰りたくなってきていることだ。
なんて頼りがいのある素晴らしい存在なんだ。
これにを開発してくれたみなさんが幸せであってほしい。
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