第10話


 ”夢ちゃん”は、その日は空色のワンピース、白い夏帽子になぜか天使の羽根?雲みたいな耳?を模した飾りのついた靴を履いていた。

 「カードキャプターナントカ」というアニメにあったような? 


 いとおしの夢ちゃんの、少し面長のかおはどちらかというと無表情だ。 菩薩とか観音様のような切れ長の瞳には碧いコンタクト。  エキゾチックな違和感が心地よい…


 「おじさん、また逢ったね! 夢のこと覚えてる? 今日はね、魔法使いのおばあさんにもらったおニューの靴の試運転なんだ!」

 にこにこと愛らしく、天使っぽく笑う。


「夢ちゃん、また逢ったね! いつも可愛いし元気で気持ちがイイよ。 キューンとして、グッとくるね! 試運転てナニ?」


 「おやじギャグばっかりだね! ふふふ。 実はね。 この靴を履くと空を飛べるんだよ! ”アキレスの魂”って言ってね。 」

 「アキレス? ギリシャ神話の神様? だっけ」

 「ニシモリっていう魔女のおばあさんが、そのアキレスをチャネリングで呼び出してね。秘密の儀式をして、そのアキレスの神聖なスピリットを封じ込めてもらった飾りを作ってね。 で、その飾りを靴に嵌め込んでね、空飛ぶ靴を作って…」

 「いい靴なんだねえ。 で、初めて空を飛ぶ実験をしてみるの?」


「そう! 天気もいいし、ヒバリかトンビみたいに空を遊泳できたら気持ちいいわよね! 」

 「ホント、夢みたいな話だねえ… あ、夢なんだっけ」

 「アハハ!  じゃあ、飛ぶから見ていてね」


 夢ちゃんは、少し、小走りに地面をタッタッと駆けてから、勢いよく地面を蹴って、ジャンプして、平泳ぎのように虚空を”漕ぐ”真似をしました。 


<続く>



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夢美瑠瑠 @joeyasushi

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