どうして、私?
久米橋花純@旧れんげ
第1話
「おはよう。」
そう言われてから朝日が眩しい。眩しいって感じるのは、朝日にあたっている、
「今日も
隣にいるのは、
「でもやっぱ私は、慎くん派だなぁ。運動できそうでかっこいいじゃん。」
う…ん。明日香は案外、そういう系好きだよな。まあ、性格的には似てるだろうけど。
「ハルは、どっち派なのさ。答えないと……、どうしちゃおっかな。」
「いや、どっちでもない…。」
ほんとは嘘。でも、一目惚れしたなんて…、口が裂けても言えないよ…。
「ハルさあ、顔に出てるの気づいてないの?」
「!?どういうこと?」
「ふふっ。ハルってば、すごい目で追っちゃってるもんね。」
「どうせ、私なんか、眼中にないもん。だから…せめてさ、彼の姿だけでも眺めていたいなって思って。」
「……っ。健気すぎる…っ!!」
? どういうこと? 好きな人にはこれが普通なんじゃないの?
「明日香は好きな人、いないの? 結構いそうな気がするんだけど……。」
「い、いない……よ?」
ああ、絶対いるんだな。この反応は。
「明日香~!今日、委員会あるぞ!一緒にいこー。」
「え、今日、委員会?聞いてないよ!」
「お前は俺がいないと全然だめだな!」
「は、え、ちょ、……。もう!慎くんはこれだから……。」
明日香がカァーと音がしそうなほど顔を赤くする。ふうん、なるほど。明日香は慎くんが好きなんだね。てか、慎くんって天然なの……?
「ごめんね。慎が明日香ちゃん取っちゃって。その代わり、俺が話していようか?」
!?珠樹に話しか……られた?いや、まさかそんな、ね。
「あ、いやだ?全然嫌ならいいよ。」
「いえいえ!いやだなんてめっそうもない!」
「ふふ。よかった。嫌がられてなくて…。」
ニコッと笑う。なんでそんなにふわっと笑うの? まぶしすぎて直視できないじゃん…。
「ハルちゃんさ、あの二人、付き合いそうだと思わない?」
「お、思います思います。何気に仲いいですよね。」
「ふは。どうして敬語なの。俺、そんなに怖い?」
急に名前呼びされたらびっくりするんだもん…。
「いえ。そんな私が話していいような、方じゃないので…。」
「? どういうこと?」
頭にはてなマークを浮かべている。そんなところもかわいい……。っていけない。私、もう手出さないって決めたんだから。
「立場が全然、違いますから……。」
「俺は、そんな立場にいないよ? ハルちゃんと同じ立場で話したいな?」
そんな上目遣いで言われたら、断れないに決まってんじゃんか~。
「は、はい……。わかりました……。」
「まずは、敬語を外してほしいな? 珠樹、って呼んでみて。」
陰では、珠樹、って呼んでるけど、本人を呼ぶなんて、そんな勇気ないよ……。
「た、珠樹……。」
「お、やっと呼んでくれた。ていうか、声ちっちゃいじゃん。」
「そ、そんなこと…、ない…です……。」
「否定してんの?してないの?」
笑いを含んだ声でからかってくる。
「からかわないでっ。ひどい……。」
「お、やっとタメ口にしてくれた。いつタメ口にしてくれるか待ってたんだよね。」
待っててくれた……? それって、どういうこと? 私と珠樹って全然話してないイメージしかないんだけど。
「私たちって、どこかで、話してた……?」
「……覚えてないの? じゃあ、いいよ。そのうち思い出してね?」
……? なにを? 珠樹とは、ハンカチ拾ってもらったときしか、話してないのに。
「好き、なのにな……。」
どうして、私? 久米橋花純@旧れんげ @yoshinomasu
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