第19話 深まる絆と未来への予感-7
母親と莉子との相談から数日、私は自身の心と向き合う時間を過ごしていた。莉子の現実的な助言と、母親・恵の思慮深い言葉を反芻し、心の中を整理する。
「夢の力によって私の意思が影響されているのではないか」という葛藤は、そう簡単には消え去らなかった。しかし、私は最終的に、一つの結論へと辿り着いた。夢がきっかけであったとしても、この悠斗くんへの感情は、間違いなく私自身のものだ。夢の中で彼が私に与えてくれる安らぎや快感、一体感は、現実の悠斗くんの存在がなければ、これほどまでに私を揺さぶることはなかっただろう。彼の図書室での真摯な横顔、カフェで交わした真剣な会話、そしてクリスマスの夜の、あの甘く深いキス。それら全てが、私の中で彼への確かな愛情として育っていることを、私は否定できなくなった。
夜が訪れ、意識が夢の世界へと深く滑り込む。そこは、私にとっての最も深い安らぎであり、同時に抗いがたい誘惑が渦巻く場所だった。夢の中の悠斗くんは、私の隣にいるだけで、私を深く満たしてくれる。
夢の中での悠斗くんと私の関係は、単なる肉体的な快楽を超え、深い精神的な絆で結ばれていることを再確認する日々だった。より深い一体感や官能を求めあう深化、言葉を超えたコミュニケーション、互いの身体の探求、絶頂と虚脱、そして再び相手を求めるサイクルの繰り返しとして、悠斗くんとの肉体的結びつきは「いつ子供ができてもおかしくない関係」にまで深化していく様子を暗示的に描いていく。
彼の唇が、硬く盛り上がった乳首を優しく含んだ時、私の体は大きく跳ね、喉から甘い呻きが漏れた。吸い上げられるような刺激が、体の奥底から波のような快感を呼び起こす 。その度に、乳房の揺れ、心臓の脈動、肌の熱、汗の感触、吐息の混じり合いなど、身体に生じる物理的な変化に伴う感覚を詳細に感じ取ることができた。行為そのものだけでなく、それに伴う内面の葛藤、彼への秘めたる願望、感情の機微、高揚、一体感といった精神的な深まりを重視して描写される夢は、現実での私の心をさらに複雑にした。
彼の掌が臀部の豊かな丸みを包み込むと、そこは吸い付くような柔らかさと確かな弾力で彼の手応えを返した。悠斗くんの腰がゆっくりと、しかし確実に奥深くへと動き始めるたび、私の内側は甘く、粘り気のある潤いで満たされ、吸い付くように彼のものを包み込んだ。その摩擦と密着感が、私の思考を奪い去り、ただ快感に溺れさせていくようだった。性行為で絶頂に達した後の「一体感」と、それに続く漠然とした「寂しさ」の感覚を、夢の中で私は繰り返し経験した。その寂しさを打ち消すように、私は再び彼を求めた 。この反復が単調にならないよう、愛撫やキスのバリエーションは尽きることがなく、回数を重ねるごとに肉体的・精神的な結びつきがより深く、密接になっていく過程が描かれた。
夢の中の彼がくれる深く、満たされた愛情表現は、現実の私にとって、彼への愛情が確固たるものとして育っていることを証明してくれた。夢の中での互いの意思が影響し合っているという感覚も、もはや私にとって、それは愛情の深い証だった。
目覚めた後の朝、私は悠斗くんとの結婚への揺るぎない決意を固めていた。彼がプロポーズしてくるであろう時期やシチュエーションを想像し、期待感を高める。どんな言葉で伝えてくれるだろう。どんな指輪を選んでくれるだろう。私の心の中では、彼への返事の言葉が、すでに具体的な形を取り始めていた。
毎朝、目覚めると、枕は汗でじっとりと湿っていた。肌にはじんわりと汗が滲み出し、ショーツの股間には、甘い蜜が溢れ出したかのように濡れた痕跡が確かに残っていた。そして、心臓は激しく脈打ち、動悸がしばらく収まらない。この痕跡は、もはや私にとって葛藤の種ではなかった。それは、悠斗くんとの深い絆の証であり、夢という形を取っていても、私たち二人の愛が本物であることの、確かな証拠だと受け止められるようになっていた。
現実の悠斗くんとの日常が、これまで以上に輝いて見えるようになった。彼の笑顔、彼の声、彼が隣にいてくれるという安心感。全てが、私にとってかけがえのないものだ。私は、この愛を現実のものにするためなら、どんな困難も乗り越えられると、強く信じることができた。
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