主人公視点
僕の名前はトール。13才でやっと能力が目覚めたんだ!
でもこの能力、神父のおじいさんには見えないらしく、僕とサナの秘密になっているよ。
あ、サナって言うのは幼なじみの女の子のことだ。僕と違って能力を授かる儀式の時に能力を授かり、普通の家で産まれた普通の子。
え?僕?…僕は拾われたんだ。赤ちゃんだった僕を森の中で今の両親の祖父が拾って。そのまま祖父と祖母が育ててくれたんだけど、この前森の中で魔物の襲撃にあって亡くなっちゃったんだ…。そして僕は今の両親に預けられ、殴られたり蹴られたりしていた。
でも仕方ないよね。だって祖父も祖母も僕が殺したようなものなんだから…。祖父と祖母が森の中に入っていった理由は、僕の病気を治す為の薬草を取りに行ったから。その時期の魔物は非常に獰猛になっているなんて当時の僕は知らなかったけど…それでも祖父、祖母を殺したのは僕だ。
両親の虐待が判明してからはサナの家に居候させてもらってる。両親は現在村八分状態でそればかりか、両親の子供であってもなんの罪もないキティまでもが他の子供達にいじめられたりしていた。
キティが僕を両親の家から逃がしたってことを何度も何度も言ったはずなのに!
1年後
「ねえ、本当にやるの?トールがやるって言うなら私は止めないけど…」
「…うんやるよ。僕が色々と間違えたから、両親は死んだしキティも眠ったままなんだ」
それなら…この能力。"タイムループ"を使っても良いと思ったんだ。
名前の意味はよくわかんないけど、きっと時間が巻き戻るようなものだよね?戻ってから僕が病気にならないよう気を付ければ良いだけなんだから…大丈夫。
そして能力を発動させる僕。するとサナが真剣な目をしてこっちを見ていることに気が付いた。
「トール…記憶が無くなったら困るから今のうちに言っておくね?…私、トールのこと好きだから!」
「僕もだよサナ」
お互いがお互いを抱き締めながら僕達は過去へとループした。
4週目
「一体いつになったらこの地獄は終わるんだ…」
サナが死んだ。王都で最近話題だった連続殺人の容疑者の刃物を持った人に殺された。
「ようやく誰も死なせずに学校へと行けるとこだったのに、なんでアイツは俺達を執拗に追いかけてきたんだ…」
刃物の人は俺達がチェックインしていた部屋に居た。気配がなく、鍛えた僕でさえも気付けなかった。
なんとか部屋から脱出し、街に出たのは良いが、夜中だったため人が居ない。まあ、連続殺人の被害時刻が夜中ってことも関係しているだろうけど…。
路地裏に入り応戦したが、慣れていない2対1と言うこともあり、少しの隙を見逃されずサナが斬られた。そして能力を使用することになった。
次こそは学校まで到達して見せるよおじいちゃんおばあちゃん…。
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