第二章 愛を忘れた世界で

第一章 エピローグ(修正版)


はじめまして、読んでくれてありがとう。

この物語は、「正義」と「愛」がぶつかる世界で、それでも誰かを信じようとする者たちの話です。


もし、正しいことを願ったはずなのに、

なぜか大切な人を傷つけてしまったことがあるなら——

きっと、どこかで共鳴してもらえるかもしれません。


理想と現実の狭間で、

それでも誰かの手を取りたくなる夜に。

そんな想いを込めて、物語を綴りました。


どうか、ページの先にいるあなたの心に、

少しでも何か、届きますように。




グラウブは、ただ守りたかった。

ナーヴァを。アルベリスを。

そして——誰もが生きて帰れる、あたりまえの世界を。


それだけのはずだった。

だけど、その願いが皮肉にも、

勇者メストアとの“決定的な戦い”を引き寄せた。


メストアは告げた。

「僕は——君の恋人を殺そうとした、“元婚約者”だ」


歪んだ愛。

孤独に蝕まれ、ようやく届いた告白。

その目に宿っていた痛みは、まぎれもなく“ほんもの”だった。


けれどグラウブは、静かに応じる。

「それでも——殺させない」


正義も。愛も。呪いでさえも。

すべてを、その手に背負って。

誰にも言わずに、“魔王”として立つ覚悟を選んだ。


そして——ナーヴァが、割って入る。

命よりも大切なものを、守るために。

その瞬間。彼の心は、燃え尽きた。


愛し方を忘れた世界で、

グラウブは“主従の契約”でナーヴァを生かした。

アルベリスは、“愛の呪い”に囚われたまま涙を流した。

メストアは、誰にも看取られずに——

愛に溺れ、正義に抗いながら、静かに消えた。


でも、これは終わりじゃない。


まだこの物語は、

滅びの運命に抗いながら——

それでも、愛を求め続ける者たちの、物語だ。


だから、まだ——続く。



ここまで読んでくれて、本当にありがとう。


第一章は、「守りたかっただけなのに」という苦しさを描いた章でした。

グラウブ、ナーヴァ、アルベリス、メストア。

誰かのために生きようとした彼らの選択が、

正しかったのか、間違っていたのか、まだ答えは出ていません。


でもきっと——

誰かを想った痛みも、

誰かを守ろうとした不器用な優しさも、

全部が、物語の一部なんだと思います。


この先、彼らの選んだ道がどこへ続くのか。

よかったら、また続きを見届けてもらえたら嬉しいです。


あなたの“心のどこか”と、この物語が、

繋がってくれていたなら。

それだけで、救われる気がします。


また次の章で、お会いしましょう。

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