ぬくもり
デート……もとい取材当日、朝早くからシオンさんに叩き起された。
「起きろー」
「すぅ……すぅ……」
「起きろよ〜」
「んん……」
「はぁ……またあれするか」
"ふぅー"
「んぁ"」
大きく体を跳ねさせて、勢いそのままベッドから転げ落ちる。そんな僕を上から見つめてケラケラ笑っているシオンさん。
「き…きみ…ぷぷ…ほんとに…みみ…よわいね…ぷぷぷ」
「何笑ってんですか」
思いっきり床に打ち付けた腰を擦りながら立ち上がる。
「おはよ」
「おはようございます。今何時ですか?え!まだ五時じゃないですか!!」
「うん。そうだよ?」
ベッドの傍に置いているデジタル時計は五時十分を知らせている。
「はぁあぁ!?なんでこんな時間に起こすんですか!!」
「だって……ボク早く起きちゃって……暇だったから……」
「僕は二度寝します!絶対起こさないでくださいね!!」
僕は掛け布団を深く被り、二度寝を試みた。
二時間後、設定している目覚ましがけたたましく鳴る音で目が覚める。
「んん……ふわぁぁあ。おはようございます。……あれ?」
シオンさんの姿が部屋のどのを見回しても見当たらない。恐らく暇を持て余し、どこかに散歩でも行っているのだろう。
洗面所に向かい、歯を磨き、顔を洗う。
「なかなか帰ってこないな……」
なかなか帰ってこないシオンさんを心配しつつ朝ごはんを作る。今日はデート……ではなく取材に出かけるので、いつもはめんどくさくて食べない朝ごはんを食べる。
「ごちそうさまでした」
目が覚めてから一時間程経過したのに一向に帰ってくる気配のないシオンさん。なにか嫌な予感がした僕は、部屋着のままアパートの近くを探し回る。
一時間くらい経っただろうか。アパートから離れた商店街の方まで探しに行ったが、シオンさんを見つけることが出来なかった。既に家に帰っていることに賭けて、一度家に帰ることにした。
「ただい……シオンさん!!」
玄関で体育座りをして涙を流しているシオンさん。僕の顔をみた途端抱きついてくる。
「ごめん……ごめんね……」
もちろん本当に触れられている訳ではないが、なぜか人肌のようなぬくもりが僕の身体に伝わってくる。
「落ち着いてください。ど、どうしたんですか?」
「え、えっとね……あのね……」
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