第6話 人間の町って凄い!

「昨日と同じですまん、町に着いたら屋台の串焼肉でも、サンドパンでも美味しいもの食べさせる」

「僕は水草しか食べて無かった、イチが作ってくれる食事はいつも美味しい! 毎日このスープで良いよ」


「カエル君が贅沢を知るとどう変わるか? 今のままのカエル君で居て欲しい」

「僕は僕、変わりようが無いよ?」


 こんな会話しながらでも、テキパキ片付けして旅立ちの用意するイチは凄いと思う、僕は話にむちゅう何も手助け出来て無い。


 今まで野井戸の底で僕一人の暮らし、会話は独り言だった、イチとの会話は全て楽しいし新鮮だ。




 町ってこんな近くに有ったの? 違うイチの移動速度が速いから近くに感じるだけか、僕自身がぴょんぴょん移動したなら、お日様何十回上がり下りした事か。


「わわぁ~~っ!! 広~~~~くて、高い囲い!! 人間の町って凄い!!」


 イチって偉い人だったの? 門を守ってるゴツい巨人に、何か首に下げてる丸いの見せて素通りしたよ?


「わわぁ~っ! 綺麗!!」

 門の中の人間の町は、白い壁に上が赤や青、黄色に茶色の見たこと無い鮮やかな眩しい建物が、物凄くイッパイ有るんだ!! 

「あの家に一人住んで居ても、何十人の人間がこの町に居るのだろう?」


「カエル君? 最果ての町は人口8000人だよ」

 僕は独り言言ったようで、イチが答えてくれたが・・・ハッセン人ってどれくらいの人なんだろう?


 僕は頭が良いと思ってた、数だって100までも知ってる! ハッセンは100が何回なんだろう?


 僕がぼんやり町を眺めて居る間に、イチは屋台の串焼肉を買った様で、僕に一つ肉をくれた。

 イチのてのひらに肉を乗せ肩に乗ってる僕の前に差し出した。


 肉を舌で巻いて口に入れ味わった。

「わっ!! 物凄く美味しい!!」

「カエル君が気に入って良かった、私もこの串焼肉好きなんだ」


 串を屋台のゴミ箱に入れ、イチは歩きだした。

「冒険者ギルドに行くよ!」


 僕はチョッと緊張してる、冒険者ギルドには物凄く大勢の巨人が居た。

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