第7話 お金って不思議

「冒険者ギルドで素材の買い取りして貰う」

 イチは僕に言うと、人がイッパイ並んで居る所の横に向かった。

「ここが買い取りカウンターだ!」


 イチは台の上に、あの毛皮と僕が死闘した鳥の爪、回復薬草を20本、傷薬草を10本置いた。

「おう? 罠でも仕掛けたか? 傷が皆無の毛皮銀貨1枚だ。モッズの爪2固銅貨10枚、回復薬草銅貨40枚、傷薬草銅貨50枚合わせて銀貨2枚だが、銀貨1枚に銅貨100枚にするか?」

「それで頼む」

(このキラキラしたのがお金? 茶色のくすんだのイッパイもお金?)


「所でイッちゃん、肩のカエルはどうした?」

「可愛いからペットにした」

「そうか? カエルをペットか、冒険活動の邪魔に成らんか?」

(僕の事言ってるのか? この巨人生意気! 肺に水入れてやろうか)


「邪魔どころか励みになる、カエル君と話てるだけで癒される⦅この人悪い人じゃない! カエル君止めて!⦆」

 僕にだけ聞こえる様にイチが言うので許してやった。


「カエルと話か? メルヘンだな! イッちゃんらしい、ま、頑張れ……今日ので文句無くランク上がるぞ! この証明書持って受付行ってみろ、イッちゃんは常駐依頼専門だから見落とされてるぞ」

「サブギルマス、ありがとう!!」


(お金をイッパイ貰うと、何か良いことが有るのか? お金って不思議だ、僕も欲しいぞ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る