第3話 ガッツポーズ

なんせ、免疫無いのもでして…


困ったな、つぐみさんを目の前にして話すこと忘れちゃった…


【健太くん、このお店行き付けなの?】


【いえ、実ははじめてで…】


そんなお店なんて俺は知らない。


つぐみさんは、


【ふーん、雰囲気いいから彼女さんとでも来てるのかと思った】


【彼女?いませんよ。付き合ったことも無いのに…えーと、何頼みますか?メニューは…】


つぐみさんは、


【ここにお任せコースあるから、リーズナブルだし、これで良いんじゃない?】


その提案に、乗った!!


つぐみさんが、オーダーして、


ドリンクはジントニック、カンパリオレンジ。


あっ、お礼だ!!それで来たんだ。


【つぐみさん、有給のことありがとうございました。ほんと助かりました】


つぐみさんは、えっ?と言う表情で、


【なんだ、忘れていたよ。みんなそうしてるし、主任なんか先月もそうだったよ。遅刻だからって諦めないでね。何度もあると話は別だけどね、私も明日有給使うからさ】


※お待たせいましました、ジントニックとカンパリオレンジになります※


そうか、有給の使い方ね。


確かにそう何度もこれやると気まずいな。


【つぐみさんはデートですか?明日は天気いいから良かったですね】


さりげなく、彼氏いる判定を…


いない訳無いんだけどな、これほどの人なら。


【ふふっ!!イケメンとね。海でアクティビティ予約してるんだー】


…そうだよな…


※コースのサラダになります※


【健太くん、食べよう。ん?このドレッシング!!すごく美味しい】


【…そうですね…美味しい…】


【どうしたの?美味しいのに?苦手?】


いかん、露骨にガッカリ感を出してしまった。


つぐみさんは、


【帰りに買って行こうかな?さっき入口でドレッシング売っていたから】


【じゃ、俺、買って来ます。そんなに好きなら売り切れちゃう前に】


気持ちを切り替えて、良し!!


解ってる、彼氏のこと、当たり前じゃん。


ドレッシングを買って戻ってきて、


【買えました、帰りにレジで】


【私が払うから】


【そのくらいいいですよ。今日のお礼なんで。彼氏さんも好きなんですか?このドレッシングみたいな胡椒の効いたのは?】


つぐみさんは、


【彼氏?弟がこういうの好きなんだ。明日の海も弟とね。あいつ、アクティビティ大好きなのに彼女いないからねー、仕方なくって感じ】


弟?


【さっきイケメンって?】


【ああ、弟ね、うーん、私から見るとそこそこイケメンなんだけどね、彼女居なくて。どうしたの?】


おっと、思わずガッツポーズを…

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