第4話 想像

ふー、久しぶりに楽しい食事をした。


つぐみさんとの食事なんて夢みたいだ…


夢?


そう言えば、


今朝の遅刻はあの夢のせいだ。


不思議と現実的な夢だったな。


※ブーブー※


【はい、あっ、出張変わってもらいありがとうございました。今度この埋め合わせは必ず…】


※【おい、俺だよ!!部長から聞いてないか?交代要員のさらに交代な。お前が来ないから究極声かけた先輩が…都合悪いと断りやがった。俺も断りたかったけど、部長だから、何かとご馳走になれると思ってな】※


 同期の健だ。太の文字が付くかつかない、それだけの違いだ。


【お前だったのか?悪い、俺が寝坊なんて。さらに出張の日に限って】


※【それはいい!!それより納得いかないことはなんでつぐみさんと夕飯行ってる?美味しいとこ全て持っていきやがって】※


健が何でさっき飯食ったばかりのことを?


【帰り道だけど、何故知ってる?】


※【部長からつぐみさんに緊急の連絡があってさ、そこで聞いたんだ。部長も怒ってたぞ!!出張に遅刻で我が社のアイドルと夕飯だと!!ってな。お前査定に響くな】※


しまったー!!査定か、忘れていた。


【…コンビニ弁当から菓子パンに変えて節約するか…】


健は、


※【ワッハッハ!!冗談だ。そんなに怒る人じゃ無いだろ?温厚でこ優しい上司なんだから。じゃ、これから部長と飲みに行ってくる】※


ふー、驚かしやがって…


部長には帰ったら、とにかく謝ろう。


そうだ!!つぐみさん、無事帰れたかな?


不安になってきた。


送りますってのも、なんか変だしな。


そんな親しいことしたら、逆に怪しまれる。


モテない人生送って来たからな…


夢の中で違ったのに…



※ブーブー※


つぐみさん?


【もしもし】


※【健太くん、家着いたからね。今日はありがとう。久々に飲んじゃった…】※


律儀な人だ。ちゃんと連絡してくるなんて。


【こちらこそ、送っていかなくてすみませんでした。遅い時間に女性を】


※【そんなのいいって…ちょっと話し中!!何?】※


騒がしいな、どうしたんだ?


※【お前、姉ちゃんのこと心配ならちゃんと送れよな。俺が駅まで迎えに行ったら良かったけどな】※


【すみません…今度からはちゃんと】


※【今度?彼氏ヅラのつもりかよ!!痛っ!!なんだよ、話してるんだろ…イテテ…】※


何とも賑やかな…


※【ごめんね、弟が失礼なことを。お姉ちゃん子だから、この子いい歳してさ】※


向こうで弟さんが騒いでる…お姉ちゃん子か。


【いえ、弟さんの言う通りです。今度は必ず駅まで送ります】


※【今度あるんだね!!ふふっ】※

 

あれ?変なこと言ったかな?





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