猫のいる家

@hanakayuta

猫のいる家

 散歩をしていると通りかかるある家の前に猫がいる。散歩のたびになんとなく視界の端には写っていたのだがそこまで気にも留めなかった。しかし最近猫の可愛さに気づき始めよく観察するようになりその家のことを意識し始めた。その家の猫は偶々そこを通りがかっているわけではなく家の扉の前でよくくつろいでいるので餌付けされているのだろうと思う。少ない時で2匹ほど多い時で4匹ほどいる。構うことができるわけではないのでいつも遠くで見ているだけなのだがふと家主を見たことがないことに気づいた。猫好きな人物ではあるのだろうが餌付けだけして外に放って置いているのも少し無責任な気がする。ある日いつものように散歩をして猫のいる家の前を通るとその家の扉が開いているように見えた。もしかしたら少し気になっていた家主の正体がわかるかもという好奇心を持ちつつもやはり人の家を覗いてはいけないと思い目を伏せた。先に進もうと前を向いた時とてつもなく低く大きな猫の鳴き声が聞こえた。耳を疑って咄嗟にその方向を見ると猫の家から聞こえていた。開いていた扉は閉まっていたがどうしても普通の猫のものとは思えず不思議にかんじていると扉の横の小さな窓が光り電気がついた。やっぱり住んでいる人はいるんだなと思ったその時窓に大きなしっぽのような影が映った。明らかに大きすぎるその尻尾の影はぐるぐると窓の中を暴れ回ると窓の外に消えてしまった。私は目の前で起こったことが信じられず怖がりながらも走って家に帰ったがあの家に住んでいたのは本当に人間だったのだろうか。

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