「時間バグ」

血塗られた答え

ビデオが始まる。映像は揺れ、ザラついている。

誰かがスマホで、急いで通りを歩きながら撮影している。突然、唐突なカット。

映像は今、校庭だ。干渉のあるラジオを通して話しているかのような、歪んだ声が音声を埋め尽くす。

「こんなこと、何も起こるべきじゃなかった」声は途切れ、消え、また戻る。

「彼女は生きていてはいけない。彼女が生きれば、他の多くが死ぬ…彼らが死ねば、すべてが混乱する」

間があり、荒い息遣いの音。「どうやって…どうやってこれを直せばいい？」

新たなカット。

ビデオは今、部室の中だ。スマホのカメラは机の上に放り投げられたようで、下から上を撮影している。

見えるのは、制服のスカートとジャケットだけだ。

同じ場所での、別のカット。

今、カメラは床を映している。誰かが倒れており、体の周りには急速に血だまりが広がっている。

その姿が動く。少女だ。長く、深い赤色の髪。

中くらいの身長、ほっそりとした体つきだが、見える肌はひどく青白い。

彼女はカメラに背を向け、左手で腹部を押さえながら、もう一方の手を無駄に床に這わせている。

彼女は動こうとするが、力は尽きていく。彼女は崩れ落ちる。

俺は固唾を飲んだ。

一つの名前、一つのイメージが、俺の記憶の深淵から浮かび上がろうとしていた。

少女は囁いた。その声はほとんど吐息のようだった。

「助けて…」

すると、ビデオには映っていない別の誰かが話した。

その声は、泣きじゃくっていた。

「君が生きていたら…僕はすべてを失うんだ」

床に倒れた傷だらけの少女は、悲しい笑みを浮かべた。その顔は見えなくても、俺にはそれが感じられた。

「苦しいんでしょう？いいよ。それで、みんなが幸せになるなら…」

「ごめん！」

そして、カメラの外の人物が行動した。先のとがった鉄の棒がフレームに現れ、少女の胸の下に暴力的に突き立てられ、彼女を貫いた。

その音は恐ろしかった。血が噴き出した。まだ背を向けていた少女は、驚くべき量の血を吐き出した。

彼女の体から力が抜け、横に倒れ込んだ。そのおかげで、ビデオはついに彼女の顔を映し出した。

俺は再び固唾を飲んだが、今度は息が通らなかった。

この顔。

世界中のどんな確信よりも確かに、俺はこの顔を覚えている。

記憶を感じる。しかし、それと共に怒りと悲しみの波、そして失われた何かを取り戻したいという古い願望が押し寄せる。

ずっと前にいなくなった、とても大切な人。彼女がどうやって死んだのか、俺は知らなかった。誰も詳細を語らなかった。

彼女の死は謎だった。だが、そこに答えがあった。

痛みに歪んでいるが、それでも笑おうとしている顔。とても美しい。

俺があれほど憧れた、まっすぐで長い髪。

「――リン！」

でも、なぜ？誰が？

ああ……頭が。

痛み始めた。初めての時と同じ、脈打つような痛み。

あのぼんやりとした感覚、テレビの悪い信号のように消えていく俺の知覚。

「やめろ！」俺は叫び、ビデオをクリックしようとした。一時停止、何でもいい。「ダメだ…このビデオを保存しないと。しないと…ああ……痛い…」

俺の頭は考えなかった。行動した。現実がグリッチで崩壊していく中、俺のプログラマーとしての本能が支配した。

メールクライアントを開く。添付。送信先は…できるだけ速く自分自身のアドレスを打ち込んだ。

視界が暗転していく中、俺の指は飛ぶように動き…

暗い部屋が、明るい昼になった。

夜の埃は、午後のそよ風に取って代わられた。

さっきまでのあらゆる感情に満ちていた俺の頭は、まるで悪夢から覚めたかのように、再び正常に戻っていた。

「あなたは誰ですか？どうやってここに入ったんですか？」

俺は瞬きした。目の前、数メートル先に、一人の少女が立っていた。

背は低い、たぶん158cmくらい。彼女は学校の夏服を着て、完璧に丸い金属フレームの眼鏡をかけていた。

そして彼女は、わずかに首を傾げ、俺をじっと見つめていた。

彼女は質問を繰り返した。その声は明瞭で、しっかりとしていた。

「あなたは、誰ですか？」