ベテラン探索者 轟さん的なアレ
ベテラン探索者 轟さん的なアレ①
「よぉ!
ダンジョンセンター内に響き渡るようなデカい声で名前を呼ばれる。
知らない奴ならぶっ飛ばすけど、顔見知りなので挨拶をする。
「どぅも、
デカい声の人は
みんなからは普通に『
ここ第三ダンジョンで活動するトップチームのリーダーで最高探索階層は40階層だそうだ。
身体はゴツく、強面で普通なら近寄りがたい人なんだが、人懐っこく、面倒見が良く、少々お節介焼きな人柄が相まって不思議とみんなに好かれ、頼られる人だ。
自分も毎日ダンジョンに潜るもんだから、
「おい、坊主、毎日ダンジョンに潜ってるそうじゃねーか?金が必要なのか?いくらだ?俺もそんなに金持ちじゃねーけど、少しでも助けてやれるから俺にオマエを助けさせてはくれねーか?」なんて、自身の勝手な脳内設定を語り始めた時には吹き出しそうになった。
そんな誤解も解けてからは、
その一方で
見た目はゴツくイカついオッサンなのに、なんて細やかで優しいんだろうか。
「
は?このオッサン今、なんて言った?
「いや、新人講習の講師だよ。あと、面と向かってオッサンっていうなよー」
「あ、口に出てたか。
てか、自分もまだまだ新人なんですけど?
ボケるには早いですよ?」
「オマエって相変わらずナチュラルに人を傷つけてくるよな?」
「
「よくねーよー!こう見えて俺ぁ傷つきやすいか弱い中年なんだよー」
「中年ってw自分の事オッサンだって認めればいいのに」
「やだよーっ!俺は可愛い中年男性なんだよー!
って、話が逸れたわ。
いやな、オマエさん、新人の癖に安定して大した怪我も追わずに毎日ダンジョンへ潜ってるじゃねーか?そのノウハウを他の新人たちにお裾分けしてやってくれねーかな?って。そう思うわけよ」
「んー」
「何?考えてくれんの?」
「めんどいから辞退します。もっと他に素敵な人がいるかと思います」
「つれねーこと言うなよー!」
ここ第三ダンジョンセンターで駄々をこねる可愛い(自称)中年男性とそれをみて困っている10代と思わしき少年の姿が多数に目撃されたとか、なんとか。
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