魔法少女 美海美ちゃん的なアレ③

 〜side 美海美みみみ


 朝の出来事があってから不思議なくらいに私と二一にかちゃんの周りは平和だった。

 あのイジメの主犯格の子と取り巻きの子達は過度に恐れているのか、無視を決め込んでいるのか、不自然なくらいに接触がなかった。

 それはそれで悲しいかもと思ったが、私と二一にかちゃんのやったことを考えれば当然かな?と可笑しくなった。


 そして、放課後、私と二一にかちゃんは職員室に呼び出されていた。

 私と二一にかちゃんが机の端っこと折ったことについてのお説教だ。


 しかし、そこで二一にかちゃんがとんでもない持論を語り始めた。


「いいですか、先生。


 まずは、ここにいる大和やまと 美海美みみみさんはさんはイジメにあっていました。

 まずそれを先生は知らなかったとは言わせないですよ?先生は担任としてそれを黙認していた。違いますか?


 で、先日、美海美みみみさんの頭上に水の入ったバケツが投げられました。

 えぇ、バケツから水を落としたんじゃなく、バケツごと落としたんです。


 驚くのも無理はないです。私もその場に居合わせて思いました。『コイツら馬鹿じゃないか?』ってね。


 水の塊が落ちてきても衝撃はあると思いますが、水で重量が増したバケツですよ?当たりどころが悪ければ美海美みみみさんは死んでいましたよ?

 それを私がそんな大惨事から美海美みみみさんを助けました。

 そして、バケツを落とした集団を確認して、次の日に辞めるように交渉しに行ったのです。


 ただでさえイジメなんて卑怯なことをネチネチと行う人たちですよ?どれだけの正論を並べたところで暖簾に腕押何ちゃら、人の話なんて聞きゃしないんですから、少しだけ脅しを兼ねて、彼女の机くんには犠牲になっていただきました。


 しかし、驚いたのは連中は全くを持って微塵も反省をしていなかったって事です。

 私が一緒にいる時には何もしないくせに、美海美みみみさんが一人になるとわざわざ近寄って、言葉で精神的に追い込める作戦に切り替えてきたって事です。


 しかし、私がもっと驚いたのは、美海美みみみさんは私に頼りっきりじゃいけない。自分自身も強くならなくちゃいけないと奮起して自ら主犯のところへ行って、私と同じように彼女と話を付けたってところです。


 今までイジメにあっていた彼女が考え、思い、奮起した。

 この素晴らしい行動を誰が否定できるというのでしょう!

 彼女が成長する糧として机くんは犠牲になったのです!


 重大な事故に発展したかもしれない今回一連の流れに終止符を打つ。

 そのことに比べたら机くんの角の一つや二つ、安いものではないでしょうか?」


 最後に二一にかちゃんのドヤ顔で話は締めくくられた。

 それでも反省文は書かされた。




 それだけで済んで良かったのかな?

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