ポーション的なアレ④

 始めてダンジョンに入ってから5日ほどがたった。

 1層のオリジナルマップは完成したのでダンジョンセンターの売店で1層のマップを購入して答え合わせをしたのだが、何箇所か合わないところがあったので確認にダンジョンへと入った。


 確認したところ売店のマップがあっている所と、自分の作ったマップが合っているところがあったので、受付のお姉さんに報告したら謝礼として五千円もらった。

 この金額が高いのか安いのかはわからないが、貰えるものは病気以外もらう主義なので問題はない。帰りにケーキでも買って帰ろう。二一にかが喜ぶだろう。


 スライムの方は順調で問題はなく、雑草のような薬草も順調に採取できている。

 自宅での調合も順調でポーション(はちみつレモン味)が500mlのペットボトルで12本溜まっている。お店かな?


 そろそろ活動の場所を2層へと移す事に決めて、2層の情報を調べ始める。



 2層で出てくるモンスターはスライムと野犬だ。

 スライムは1層のスライムと変わらないそうなので、同一の種類なんだろう。

 野犬の方は動きが素早く、噛みついてくるようだ。

 2層の野犬は単独でくるそうなので難易度はそれほど高くない。

 もっと深い階層になると群れてくるらしいので、難易度は上がるらしい。


 単独で難易度は低いと言ってもやはりモンスター。噛み付かれると簡単に肉を食いちぎられるようだ。調子に乗った初心者が野犬に殺される事故も年に数十件あるらしい。

 なので、協会では基本的にダンジョンへ潜る場合はパーティーを推進している。

 そりゃそうだ。一人で危険極まりないダンジョンへ潜るなんて自殺行為、馬鹿の所業だ。おっと、ブーメランが飛んできたようだ。




 調べ物が終わり、2層へとダンジョンアタックを開始する。

 野犬の素早いとされる動きも自分から見れば十分対応できる速度だったので傷を負う事なく淡々と処理していく。魔石はスライムの魔石より少しだけ大きいので買取価格も少しだけ高くなるようだ。

 こうやって人は労働を金に変えていくのだろう。


 ちなみに、野犬なんて狼の下位互換でしかない。前世で散々狼と対峙してきた経験が生きているのだろう。知らんけど。


 マッピングも順調。雑草みたいな薬草の採取も順調。野犬も楽勝。スライムはもっと楽勝。そんな時こそしょうもないミスをしてしまう。自分は前世からそんな人間だと知っているのでそこら辺を意識して探索を続けていった。



 いつものように昼食と休憩を挟み18時には探索を終える。

 受付のお姉さんの視線がより熱っぽく感じるが伊達に前世の記憶と合わせた人生経験が長いのでスルーさせてもらう事にした。

 二一にかと違ってグイグイ来ないところが助かっているちゃ、助かっている。


 そんなこんなで自分のダンジョン探索は順調に進んでいる。

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