A.D.2147 ――TOKYO.
第1話「邂逅のクロスライン」
アバンタイトル
郊外区域の工業地帯には長らく放置されたままの倉庫群が立ち並んでいる。
工場の無人機械化が進んだ昨今の中でも取り残されたこの一帯はトーキョウに居着いたギャングたちにとって格好の隠れ蓑であり、一般市民たちは決して立ち寄ろうとしない地域だ。
尤も、住宅街は郊外区域の中心部にある商店街を挟んだ反対側に位置する為、滅多なことで迷い込むことはないだろう。
つまりこのような場所にいるということはギャングの関係者か、或いは余程の死にたがりくらい。
とある一箇所の倉庫の入り口にはサブマシンガンを携帯した男性が二人、警備をしているがその表情は腑抜けている。
もうすぐ日が暮れようとしている時間に一日中ここで立たされていたのだ。くたびれたシャツに染み付いた汗がうっすらと滲んでいた。
トーキョウには複数のギャングが実在しているが、その多くは好んで揉め事を起こそうとはしない。騒ぎが大きくなれば治安維持警察が動く事態となり、組織として裏社会における信用を失う。
連合都市国家フクオカでは日常茶飯事だったストリートでの派閥抗争でさえ、トーキョウという都市ではご法度なのだ。
その理由は何よりもトーキョウに存在しているとある組織が原因とも言えよう。
それは治安維持警察よりも強大な権力を持っており、そして何よりも無慈悲かつ厳粛に事を為す――それは正に欠伸を噛み殺した男性の視界に映り込んだ光景のように、突如として嵐の如く現れるのだ。
数メートルはあろうかという倉庫群を囲む巨大な塀を越えて姿を現したのは漆黒のボディを持つ巨大なバイク。
それを操縦する華奢な体躯の人物は、フルフェイスのヘルメット越しに警備をしている二人の姿を視界に捉えると、宙に浮いた巨体のハンドルを切る。
傾いた車体が速度を落とさずに地面へと着地し、二人へと距離を縮めていく。
とっさに手にしていたサブマシンガンを構えるが、既に左側面には本体から独立して稼働する三枚の装甲が展開されている。
「なっ……!」
男性が声を上げるのとその二人を容赦なくバイクが弾き飛ばしたのは同時。
そのまま倉庫の重厚な扉へと激突したバイクは鈍い音を立てて停止する。
扉は大きく歪んではいるが、未だ閉ざされたままである。
ヘルメットを脱ぎ捨てたその女性――カレンは黒い髪をなびかせながら澄んだ青い瞳を扉へと向け、ゆっくりと口を開いた。
「アンサー、ガトリングガンを」
『久しぶりの運用ですね』
耳元に直接語りかけてくる電子音声の返答と共に、右側面の
装甲からスライドして取り出されたのは、カレンが持つには少し不釣り合いな携行ガトリングガン。
カレンはサフィニアンサーに跨ったままその銃身を扉へと向け、躊躇なくトリガーを引く。
直後、周囲に鳴り響いた鈍い射撃音は鉄製の扉に穴が開く音で遮られる。
まるで紙切れのように蜂の巣にされていく扉へと、その中に誰かいるかさえ不明な状態でカレンは容赦なく銃弾を撃ち込み続ける。
ガトリングガンがバレルを回転させるのを停止したのは、数十秒ほどで装填されている弾薬をすべて吐き出した後だった。
取り出した位置へとガトリングガンを収納したカレンは、代わりに左右の装甲からスライドして現れたアサルトライフルをそれぞれの手に構え、サフィニアンサーから降りると穴だらけになった扉を蹴破る。
物理的に開かれた入り口からカレンはその中へと足を踏み入れてから、その内部が静けさに包まれていることに気づいた。
それはガトリングガンをありったけ撃ち込んだからではない。中に生きている人間が誰もいないからではない。
異様なまでの静けさは逆に何者かがそこに潜んでいることを匂わせる。
直感的に違和感を悟ったカレンは薄暗い倉庫の中へと注意深く目を向ける。
『内部に生体反応を確認しました。それと奥にアームド・フレームが二台』
「――サフィニア」
『Battle Dress “Safinia”』
その瞬間、カレンの周囲にある空間の位相が急激な変化を起こす。
それは本来、目では認識することが出来ないはずのもので、だがしかしカレンの周囲は確かに歪んでいるような錯覚を覚えた。
やがてカレンを身体を覆うようにして突如として現れたのは――黒い鎧。
空間から取り出された鎧をカレンは全身にまとう。
無機質なパワードスーツ姿へと姿を変えたカレンは無造作に内部へと歩き始める。
戦闘装束姿では外の視界に加えて、アンサーから送られたデータが網膜へと直接投影される。
センサー類によって探知された生体反応が遮蔽物の向こう側に映り、同時に最奥に佇む二台のアームド・フレームを確認する。
アームド・フレームは本来、統一戦争時代に生み出されたパワードスーツであり、現在では国からの許可無く製造や所持することは固く禁止されている。
しかしこうして裏社会では破格の兵器として流通しており、彼らのようなギャングにとっては格好の取引材料であり、同時に心強い戦力であるのだ。
これらの存在はトーキョウに住む人類にとって大きな脅威となり得るものだ。
故にカレンが所属する組織はその存在を許さない。それがドーラーであるカレンの裏の仕事。
「う、動くな……!」
不意に背後から声を掛けられる。倉庫の入り口には先ほど突入する際に突き飛ばした警備の男性が一人、こちらへとサブマシンガンを構えている。
だが先ほどの衝突で怪我をしたのか、満足に肩が上がらない様子だったが、何よりその程度の銃器ではカレンのまとう装甲に傷さえつけることは出来ない。
カレンはその男性を無視して更に奥へと足を踏み出す。その瞬間、暗闇に潜んでいた何者かが左側から飛び出し、手にした鈍器を振りかざす。
解体工事で使われる大きな鎚がカレンの頭目掛けて降ろされるが、その一振りを容易く避けると足払いで相手を転倒させる。
それが合図となって隠れていたギャングたちが一斉に姿を現した。各々が構えた銃が一斉に火を吹き、カレンを襲う。
鈍い衝撃が大量に続き、カレンの動きを阻害する。装束の上から伝わる衝撃にカレンは顔をしかめながら、手にしていたアサルトライフルを両方ともに構え、トリガーを引く。
正面に展開したギャングたちに撃ち返した銃弾が積んである木箱や鉄製の柱に次々と穴を開けていく。
思わず反撃に姿を隠したギャングたちへと、カレンは地面を強く蹴り出し一気に距離を詰めた。
左手のアサルトライフルを捨て手短にいた細身の男性の胸元を掴むと、そのまま隣の人物へと投げつける。
更に右手に持ったままの銃口は後ろの遮蔽物に隠れていた男性を足を撃ち抜き、転倒させる。その直後、彼女の身体を何かが突き飛ばした。
砂だらけの地面を転がったカレンが見たものはいつの間にか近寄っていたアームド・フレームである。
先ほど確認したものはまだ二台とも奥に佇んでおり、それとは別の新手であることは間違いなかった。
「……情報と違う」
『以前から既にアームド・フレームの取引が行われていたということでしょう』
「それくらいわかる」
『恐らく自律式と推測されます』
「それもわかる」
『では背後で更にもう一体、アームド・フレームが現れたことは?』
「ちょっと黙って……ッ!」
カレンは吐き捨てるように告げると、地面を転がってその場から退く。
そこに突き立てられたのは巨大な剣。
背後に現れたアームド・フレームの腕部に取り付けられている大剣がカレンへと繰り出される。
跳ねるように起き上がったカレンは二台の自律式アームド・フレームを前にアサルトライフル一挺ではあまりに無謀であることを悟ると、即座に投げ捨てる。
『更に悪い知らせです』
「いいから黙ってて……ッ!」
『奥のアームド・フレーム二台の起動を確認しました』
「あー……もう……ッ!」
カレンがアンサーを怒鳴りつけながら視線を向けると、遮蔽物越しにアームド・フレームへとギャングが乗り込んでいる姿を捉えた。
同時に左右から自律式アームド・フレームがカレンへと腕を突き出す。巨大な拳と剣が迫り来る中、カレンは宙へと身を投げて回避する。
常人ではあり得ないほどの高さまで跳んだカレンはそのまま入り口に待機しているサフィニアンサーの位置に着地を決め、同時に鋭く言い放つ。
「ブレード二本、ダガー二本!」
高速でカレンの眼前に現れた展開装甲からスライドして鋼刃ブレードが二本その姿を見せる。
素早く一本を手に取り、もう一本を引き抜きながら前方へと投擲した。
その先には追撃する自律式アームド・フレームの姿があり、飛来する鋼刃ブレードを捉えた敵は素早く手で払い除ける。
だがその一瞬の隙にカレンは既に懐へと潜り込んでいる。
手にする鋼刃ブレードを胸部へと突き立て、そのまま背中まで貫く。
金属で出来た装甲が紙細工のように切り裂かれ、更に繰り出された一閃によって胴体が二つに分かたれた。
一瞬のうちに一体を仕留めたカレンは、その後ろで大剣を振り下ろすもう一体の自律式アームド・フレームの剣戟を鋼刃ブレードで受け止める。
重い一撃に身体が沈み、片膝をつきながらカレンはその勢いを華麗に受け流して相手の剣を横に逸らす。
そのまま鋼刃ブレードから手を離したカレンは後方から飛来する物体に視線さえ向けずに手に取ると、地面を蹴って自律式アームド・フレームの頭上へと躍り出る。
カレンが手にしているのはサフィニアンサーから射出された二本の鋼刃ダガー。短い刀身が瞬時に繰り出され、左右から自律式アームド・フレームの首元を切り裂き、頭部を本体から切り離す。
そして背後に着地したカレンの前には――最初に投擲した鋼刃ブレード。
それを手に取り背後の自律式アームド・フレームへと横薙ぎの一撃。
瞬く間に二体の自律式アームド・フレームを屠ったカレンは二本の鋼刃ブレードを手に、周囲のギャングたちへと視線を走らせる。
頼りにしていたはずのアームド・フレームをいとも容易くあしらわれ、残ったギャングたちは銃口をカレンへと向けたまま、次の行動に悩みかねているようだった。
正面に立つ一人の男が震える手を押さえつけながらゆっくりと物陰に隠れようとした瞬間、その背後にあった木箱が盛大に砕け散る。
そのまま突き飛ばされた男性を気にも留めず、姿を現したアームド・フレームに乗り込んだ男性は胸部装甲から顔を覗かせたままカレンへと憤った表情を向ける。
「テメェ……よくも散々荒らしてくれたじゃねぇか……!」
その後ろからは更にもう一体、人が乗り込んだアームド・フレームがカレンの前へと現れる。
アームド・フレームのボディや兵装は度々改修されていることは多いが、自律式A.Iのプログラムはほとんどがそのまま使われていることが多い。
だからこそ先ほどのようにルーチンを利用して軽くあしらうことも出来るが、有人のアームド・フレームはそう甘くはない。
アームド・フレームの両腕に備え付けられている大口径のガトリングガンがカレンへと向けられる。
一体に二門、合計四門の一斉掃射を浴びれば、さすがに戦闘装束でさえ無傷とはいかないだろう。
『カレン様』
こんな時に空気を読まずに喋るのがアンサーである。カレンは無視しようとして、しかし間髪入れずにアンサーが続きを告げる。
『援軍です』
直後、頭上にあるガラスが割れる音が響き渡る。
漆黒の影がガラスの破片と共に落下しながら、巨大な得物を構える。
身の丈程もある大剣の切っ先を下へと向け、落下する勢いを攻撃へと転換させる。二体のアームド・フレームの間に着地したその人物はその落下と同時にガトリングガンの銃口を一つ切り落していた。
それだけに留まらず、即座に大剣を翻すとその巨大な刃が急激な加速を見せた。否、刃から噴出した推進装置によって強制的に加速した一撃が目にも留まらぬ速度でもう一門のガトリングガンを切り捨てる。
「すまない、遅くなった……!」
「……遅い」
現れた人物の謝罪にカレンは不満げに言葉を返す。その人物は黒いロングコートをはためかせながら、目元を隠すようにつけられた鋭角的なフォルムのバイザー越しに周囲を見やる。
決して体格は良いとは言えないが、力強く大剣を翻すその姿はまさしくカレンと同じ手練のそれである。
ガトリングガンが失ったアームド・フレームは即座に後方へと飛び退き青年と距離を取る。もう一体のアームド・フレームは逆に前へと、即ちカレンへと突撃する。
「そっちは任せた!」
青年の言葉にカレンは無言のまま頷き右側へと駆け出す。それを見送ってから青年は大剣を握る手に力を込め、その刃を対象へと向ける。そして鋭く叫びながら前進する。
「モードL!」
大剣の柄が後方へと一気に伸び、大型の刀身を持つ薙刀のような形状へと切り替わる。
それに合わせて青年もまた持つ位置を切り替え、まさしく槍のように構える。
その瞬間、再び推進装置が噴出し身体ごと前へと飛び出す。
虚を突かれながらも対峙するアームド・フレームは右腕部に格納されていたショートブレードを構え、その突貫を薙ぎ払う。
しかし反らしたはずの一撃は寸前で刀身の側面推進装置によって軌道を急激に変更し、その場でくるりと一回転しながらの華麗な回転斬りへと切り替わる。
慌てふためきながら左腕部のショートブレードを取り出し受け止める構えを取るアームド・フレームに対して、青年はニヤリと口元に笑みを浮かべて大剣を一気に振り抜く。
刃同士が激突し、勢いが止まるかと思われたその刹那――青年の持つ大剣はそのままアームド・フレームの左腕と頭部を切り裂いた。
ジャッジメント・モノクロームと名付けられたその大剣は、刀身から超振動を発生させることによってあらゆる物質を切断することが出来る。唯一にして最大の特徴である。
片腕と頭部を失い、その切断面から中に乗り込んでいる人間の慌てふためく表情が見える。
その眼前へとジャッジメント・モノクロームを突きつけ、青年は静かに告げる。
「これ以上の抵抗は止めてください……次は、命の保証は出来ません」
コクコクと頷いてみせる男性を尻目に、青年はカレンの様子を見やる。
最初から心配はしていなかったが、戦闘装束を身にまとったカレンは強い。
案の定、既にもう一体のアームド・フレームは両腕を潰された上で地面に突っ伏して沈黙していた。
アームド・フレームに乗っていたのがギャングの頭であったのだろう、周囲にいる残った人物たちもまた抵抗を止め銃を捨てている。
外で警備をしていた者は予め青年がすべて気絶させてあり、彼らが別の増援を呼べるほど大きな組織でないことも調べがついている。
『制圧完了ですね』
耳元に直接聞こえてきたアンサーの言葉に青年は頷く。
「ああ、お疲れ様」
それは視線の先にいるカレンにも向けた言葉であったが、彼女は既に装着を解いて彼に背中を向けている。
彼女の戦闘装束も魔導通信も
ライズテクノロジーと呼ばれる先進技術と、ヴェルド式魔導機工学と呼ばれる複合科学。共に二十二世紀を代表する技術だ。
だがその多くは未だ先進国にて専有されているものであり、彼らが所属する組織はそんな技術の中でも最先端の研究成果を駆使して、あらゆる脅威を抑止する為の力を保有している。
『間もなく別班が到着します』
「わかった」
カレンの元へと歩み寄り、この後に行わなければならない処理の確認をしようとする。
捉えたギャングたちの身柄確認及び搬送と、アームド・フレームの回収と処理手続き。
アームド・フレームの違法所持は重犯罪であり、彼らには厳粛な罰が下るだろう。リーダー格の人間に至っては死刑を免れない。
それがこのトーキョウという都市の、ドーラーという裁定者によって決められた現実だ。
「……がない」
不意にカレンが呟いた言葉を聞きそびれ、青年は思わず問い掛けた。
「え、なに?」
「……時間がない。後は任せたから」
「え、ちょっと待ってそれって――」
カレンは青年の言葉に聞く耳さえ持たず、サフィニアンサーに乗るとヘルメットを被りハンドルを握る。
そしてその場でターンを決めると出口へと向かって走らせる。その素早さに呆れたまま青年は後ろ姿をただ見送ることしか出来なかった。
『……大事なお迎えの時間ですので。ご愁傷様です』
カレンの代わりに魔導通信で答えるアンサーに、青年はただただ盛大なため息をつくことしか出来なかった。
そしてバイザーに手を掛け、ゆっくりと外す。深緑色の双眸が夕焼けでオレンジに染まる空を見上げる。
TOKYO公安機関ドーラー管理局郊外区管轄第六班所属、
それが今の彼にとっての日常だった。
市街地を漆黒のボディを持つバイク、サフィニアンサーが駆ける。
運転するカレンは車の隙間を縫うようにして車線を切り替えると、信号の手前で左折して門をくぐり抜け敷地内へと入っていく。
まっすぐ伸びる緩やかな坂道を登った先には大きな建物が見え、その坂道を何人もの子供たちが下っている。子供たちが脇に避けて出来上がった道を通って坂道の途中で曲がったカレンはそこにあった駐車場にサフィニアンサーを停車させた。
ここはスクールと呼ばれている郊外区域では唯一の公立学校だ。
初等部、中等部、高等部に別れており非常に数多くの子供たちが通っている。カレンはヘルメットのバイザーを上げると、子供たちが談笑しながら下校する姿を眺める。
そんなカレンの姿に不審な目を向けていく生徒たちの中に、目的の人物はいた。
遠くで友人と共に歩いていたその少女はカレンの姿を見つけると、友人に手を振ってからこちらへと駆け寄ってくる。
目の前まで辿り着いた少女はカレンに嬉しそうな笑みを向けながら尋ねた。
「ごめんねー待たせちゃった?」
「いや、大丈夫」
「それなら良かった! あ、帰りにちょっと寄っていきたいお店あるんだけどいい?」
「わかった。連れて行く」
「ありがとー! カレンのそーゆーところほんっとすき!」
「……喜んでくれるなら、アタシは何処へでも連れて行くよ」
「ほんとにー? あ、でもあんまり遠くだとさすがにカレンがママに怒られちゃうよね……」
「ルミの為ならそれくらい別に」
「それはさすがに私が気にするからいーよ! じゃ、いこいこー」
ルミと呼ばれた少女はカレンの後ろに乗るとサフィニアンサーの後部にあるフレームが自動で開き、中からヘルメットを取り出して被る。
代わりに手にしていた鞄を中にしまってから、その両手をカレンのお腹に回した。
「さ、いこいこー」
「しっかり掴まって」
「はーい」
カレンは嬉しそうに目を細めて、バイザーを降ろすとルミを連れてサフィニアンサーを発進させる。
スクールへと向かっていた時とは違って、緩やかな速度で公道へと出る。
カレンが暮らしているネガティヴブルーという店を経営しているイルルギ家の一人娘、ルミと一緒にいる時間をカレンは大切にしていた。
こうしてルミを毎日送り迎えをするのもカレンにとっての日課だ。
二人を乗せたサフィニアンサーは郊外区域の中心部、商店街を目指して走る――。
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