【ル】 二番手は ゴリラ
●【ル】 二番手は ゴリラ
桃太郎は
犬と ゴリラをお供に
鬼ヶ島を 目指して
旅を続けました。
すると
また誰かが 近づいてきました。
それは……
1
サイ
…『【ル・1】 最強のサイ』にすすむ
2
ロボット犬
…『【ル・2】 ロボット犬 出動』にすすむ
3
占い師
…『【ル・3】 勝手に占います』にすすむ
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・1】 最強のサイ
それは サイでした。
サイは すでに興奮状態で
荒い鼻息で 飛ばされそうです。
「桃太郎っ!
早くきびだんごをくれ!
そして 鬼ヶ島で
暴れさせてくれ!」
大興奮のサイを見て
ゴリラも興奮し始めて
しまいました。
「ウホホホホホッ!
おれも 早く暴れたいぞー!」
桃太郎は とりあえず
サイに きびだんごをあげました。
サイは きびだんごを食べると
興奮が 最高潮に達してしまい
「よっしゃーっ!
いっくぞー!」
サイは ゴリラと共に
駆け出して
どこかへ 行ってしまいました。
桃太郎は 犬と一緒に
取り残されてしまいました。
「……桃太郎さん どうします?」
「と とりあえず
あとを追いかけようか」
桃太郎と 犬は
暴走した サイと ゴリラを
追いかけました。
――数時間後
桃太郎と 犬が
サイと ゴリラに追いついたのは
鬼ヶ島でした。
そして もうすでに
鬼どもは すべて倒され
鬼退治は 終わっていました。
その後 サイと ゴリラは
鬼退治をした 英雄として
みんなに 讃えられました。
サイと ゴリラが
鬼退治をすることになった
きっかけは
間違いなく 桃太郎です。
桃太郎が
みんなのために
悪さばかりする 鬼どもを
倒そうと 立ち上がったことで
サイも ゴリラも
立ち上がることを決めて
鬼を退治できたのです。
この世の出来事には
きっかけがあるものです。
でも そのきっかけが
いつも 注目されるとは
限りません。
みんなが注目するのは
いつも結果だからです。
桃太郎と 犬は
いっさい 活躍することなく
誰かに注目されることもなく
ひっそり 家へと帰りました。
でも 家へと帰る顔は 笑顔でした。
平和に勝る喜びなんて ないからです。
この平和が ずっと続くことを
桃太郎は願うのでした。
おわり
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・2】 ロボット犬 出動
それは
ロボット犬でした。
「モモタロサン
オ腰ニ付ケタ キビダンゴ
ヒトツ ワタシ ニ クダサイマセ」
桃太郎は ロボット犬に
きびだんごを 渡しました。
ロボット犬は
口の搬入口から
きびだんごを 入れました。
「キビダンゴ 確認。
アリガト ゴザイマス。
ソレデハ 鬼ヶ島ヘ
オ供 サセテイタダキマス」
こうして 桃太郎は
犬と ゴリラと ロボット犬と共に
鬼ヶ島を目指すことになりました。
そのときです。
犬が 立ち止まりました。
「桃太郎さん……
ぼく 帰ります」
…『【ル・4】 犬の気持ち』にすすむ
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・3】 勝手に占います
それは 占い師の女性でした。
「視える…… 視えます。
あなた 桃太郎さんですね?
お供を引き連れて
鬼退治へ行こうとしている。
そうよね?」
「そうですけど……」
「そこの 犬さん。
あなた……
本当は ただの犬なのに
鬼退治なんて できるのか
心配ですね?」
「えっ!?
し 心配なんて
してませんけど……」
「ごまかしても無駄です。
占いで 出てますから。
あなたの その心配は
現実のものとなるでしょう。
悪いことはいいません。
今すぐ 家へ帰りなさい」
「そ そんな……」
「そこの ゴリラさん。
あなた 浮気していますね?」
「ウホッ!?
な な なんの話だ!?
勝手なこと言うな!」
「もうすぐ
あなたの浮気相手が
奥さまのところへ
乗り込むでしょう。
ものすごい修羅場になって
両者共に 取り返しのつかない
傷を負うことになります」
「な なんだって……
こうしちゃいられねぇ!」
ゴリラは 一目散に
帰ってしまいました。
犬も 自信を失ってしまい
帰ってしまいました。
「桃太郎さん
今 あなたは
ひとりぼっちになってしまって
不安になっていますね?
でも 大丈夫です。
あなたは 必ず
鬼退治を成し遂げるでしょう。
しかし そのためには
一つ ぜったいに
やらなくてはならない
ことがあります。
それは……
わたしと 今すぐに
結婚をしてください。
そうすれば
前世から続く因果が断ち切られ
鬼退治も その後の人生も
すべてが うまくいくでしょう!」
占い師は
目をランランと輝かせて
桃太郎を見つめました。
桃太郎は
すっかり呆れて
家へ帰ることにしました。
「どうして!?
わたしと 一緒になれば
すべての星のめぐりが重なって
完全体になるんです!
なぜなら
わたしと あなたは
ソウルメイトなのですから!」
「は? ソウルメイト?
そうやって
目には見えないものを
言い出すのは
もはや 脅迫ですよ。
ぼくは あなたの名前も知りませんし
知りたいとも思っていません。
なにより あなたみたいな人は
タイプじゃないし。
仮に もしも本当に
ソウルメイトなのだとしたら
そんな占いなんかに頼らなくても
出会えているはずなのでは?
とにかく あなたは
占いなどというものに
頼ってしまった時点で
目の前にあるものを
素直に見ることが
できなくなっている。
そんな人とは
一緒にいたくありません」
桃太郎は きっぱりと言って
去りました。
占い師は
呪ってやる!
と 叫び続けました。
でも その後
桃太郎には 不幸なことなど
なにも起こりませんでしたし
仲間たちを 改めて募って
鬼退治も成し遂げました。
桃太郎は
とても幸せな人生を
送ったのでした。
おしまい
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・4】 犬の気持ち
桃太郎は
犬と ふたりきりになって
話を聞きました。
「……ぼくには
ゴリラのような怪力はないし
ロボット犬のような
特別な力もないです。
ぼくなんか
足手まといになるだけです。
だから 帰ります。
きびだんごを もらったのに
ごめんなさい……」
犬は 桃太郎に背を向けて
歩き出しました。
桃太郎は 犬に駆け寄ると
そっと抱き締めました。
「ぼくは
きみが 声をかけてくれたとき
すっごく嬉しかったんだ。
本当は 不安でいっぱい
だったんだよ。
鬼退治だなんて
本当にできるのだろうか…… て。
でも きみが声をかけてくれた。
そして 一緒に鬼退治に行くと
言ってくれた。
それで ぼくの中の不安は
すべて消えたんだ。
ぼくが 今
鬼ヶ島に向かって
歩いていられるのは
きみのおかげなんだよ。
きみが 帰るというなら
ぼくは引き止めない。
だって ぼくにはわかるから。
その不安な気持ちが。
だけど もしも ぼくと一緒に
鬼ヶ島へ行ってくれるというなら
共に力を合わせて 戦おう。
きみの 鬼に立ち向かおうとする
その気持ちの強さは
誰にも負けないものなのだから」
桃太郎は
ゴリラと ロボット犬のもとへと
戻りました。
犬は……
1
桃太郎のもとへ戻りました。
…『【ル・5】 犬の勇気』にすすむ
2
家へ帰りました。
…『【ル・6】 犬の生涯』にすすむ
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・5】 犬の勇気
犬は
桃太郎たちのもとへ
戻りました。
桃太郎は もちろん
ゴリラも ロボット犬も
戻ってきた 犬を
大歓迎しました。
――そして
鬼ヶ島に上陸した 桃太郎たちは
熾烈な戦いの末に
鬼どもを成敗し
鬼退治を 成し遂げたのでした。
たしかに 犬の力では
鬼を倒すことはできませんでした。
でも 犬が吠えながら走り回って
鬼どもを 翻弄したおかげで
桃太郎たちは余裕をもって
戦うことができたのです。
犬は
自分にしかできないことや
自分だからできることが
あると知りました。
生きていく中で
逃げ出したくなるときは
きっと 誰にでもあるけど
視点を変えたら
自分にしかできないことが
必ずあるのです。
犬は 鬼退治を通して
大切なことを
学ぶことができたのでした。
おしまい
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
●【ル・6】 犬の生涯
犬は 家へ帰りました。
その後 桃太郎たちが
鬼退治を成し遂げたというニュースが
流れてきました。
犬は
ああ やっぱり
自分はいなくてもよかったんだ
と 思いました。
犬は 知りません。
桃太郎たちが
とても苦戦しながら
なんとか鬼退治を
成し遂げたということを。
桃太郎たちは
鬼退治の最中に
何度となく
犬がいてくれたら
後ろから 吠えて
敵の存在を教えてくれたに
違いないのに と
思いました。
桃太郎たちは やはり
犬にいてほしかったのです。
だけど 犬が その気持ちを
知ることはありませんでした。
あのとき
犬が 鬼退治を諦めて帰ったのは
正しいことだったのか どうか……
それは わかりません。
でも 犬は
桃太郎たちのもとを去ったことを
生涯 ずっと後悔し続けたのでした。
おわり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます