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 村田は全身に妖霊気を纏うと再び「ハァ!」と叫んで妖霊気を放出した。大道寺は耳を塞ぐが全身に揺らぎのようなものを感じてその場に倒れそうになった。それと同時に村田が膝蹴りを繰り出してきた。大道寺は躱しきれず、顔面に膝蹴りをもろに食らった。

「相変わらずだな」

大道寺は妖霊気を練って分身を作ろうとした。しかし、先程から感じている揺らぎのようなものが邪魔をして分身を作ることが出来ない。その隙を見て村田は蹴りを浴びせてきた。

「この揺らぎ・・・これがあんたの隠し玉か!」

「察しが良いね。ならもっと本気出すよ!」

村田は丹田に力を籠めると大道寺にはっけいを放った。それと同時に大道寺を襲う揺らぎが強くなり、それと同時に三半規管が狂う感覚を覚えた。

「いくらフィジカルを鍛えても三半規管がイカレちゃあただのでくの坊さ」

「クソが・・・」

 村田の妖霊術「狂騒曲」は表向きは高周波を放つ術として知られている。この高周波は浴びせる相手を選定することが出来るので味方を巻き添えにする心配はない。だがこの術の厄介なところは相手の妖霊気を狂わす効果があることだ。自身の妖霊気が狂わされては分身などの妖霊気の錬成は難しくなる。加えて自身の体の一部ともいえる妖霊気が狂えば当然戦いもままならなくなる。

「私の術にかかった奴で無事で帰ったのは一人しかいないよ!」

「へえ、あんたでもしくじることあるんだ」

大道寺は眩暈がしながらも村田に返した。それを聞いて村田は再びはっけいを放った。

「案外タフじゃないか。それならこのくらいはやらないとね!」

すると村田は日輪印を組んで自身にバフをかけた。

「あんたはこれでおわりだ。風よ、鎖となりて悪を縛れ、拘束術其の四鎖!」

村田は拘束術の詠唱を放った。大道寺は鎖に縛られその場に倒れた。大道寺は鎖を引きちぎろうとするが体に力が上手く入らない。

「クソ、空挺の奴より硬いな」

「その様子じゃ何もできないねえ。これもあんたがまいた種だよ大道寺」

その言葉に大道寺は鼻で笑った。

「何がおかしいんだい?」

「俺のまいた種か・・・なら、原因はあんたらにあるってことだな」

その言葉を聞いて村田は激昂し、彼の胸倉を掴んだ。

「生意気な!私はそういう他責思考な奴が大嫌いだよ!」

「ならどうしてあんたらは、本当に悪い奴らを野放しにするんだ?・・・俺は俺の正しさのためにやってるだけだ」

それを聞いて村田は大道寺の腹を殴った。

「それがまかり通るなら組織は終わりだよ。だから私たちがいるんだ!」

村田は再び大道寺を殴ろうとした。その時、村田の背後から甲高いエンジン音が聞こえた。それを気にせず攻撃をしようとした瞬間、エンジン音の方から銃声が響いた。全身を分厚い妖霊気で纏っているので致命傷は防げたが村田は背中に銃弾を食らった。

「大道寺!こっちに!」

車内から隈田が叫んだ。だが大道寺は鎖に拘束されているので立ち上がることが出来ない。隈田は降車すると羽を射出して鎖を切り裂いた。

「あたしとしすぎて鈍った?」

「いや、このお局が強いんだ」

「クソ、アークエンジェルまで!」

その言葉に隈田は脊髄反射で村田に肘鉄を食らわせた。村田は攻撃を防ぐが隈田は続けざまに翼で村田に斬撃を放った。

「殺す!」

隈田は羽を引きちぎると剣に変化させて村田に襲い掛かった。村田は高周波を放って隈田の動きを止めようとしたが彼女には何故か効果が無い。村田はそのまま彼女の斬撃を食らった。幸い妖霊気で致命傷は防げたがそれでも右肩に攻撃をもろに食らった。

「またその名前を言うならあんたを殺す」

「ふん、あんたにそれ以上の価値があるとでも?アークエンジェル」

隈田は激昂して村田を突き刺そうとした。だがその刹那、上空から銃声が響く。

「はい発見」

上空にいたのは長野だった。大道寺は空を見て拘束術を放とうとしたがその瞬間背中に何かが激突した。

「よしいいぞカエちゃん。そいつが大道寺だ」

カエちゃんと呼ばれる鳥のはく製は大道寺の目の前に現れた。すると瞬きする間に長野が彼の目の前に現れた。

「お初にお目にかかります、といった方がよろしいですかね?大道寺元主任?」

「主任か。懐かしい役職だ」

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