口元を緩めた警備員

 お疲れ様、管理人さん。

 ケーキとステーキを一度に食べたような顔をしているようなところを見ると……さては、人魚の歌声を聴いてきたらしいな。

 人魚は気に入った人にしか自分の旅路を聴かせない。人魚の航路はそれだけで価値のあるものだ。世の中、不老不死の夢を諦められない者が多いからなあ。奴らは少しでも情報が欲しいんだ。あわよくば、今では伝説の中の伝説になってしまった人魚の群れなんかに遭遇できたとしたら……世の中の億万長者すべてが客になってくれるだろうね。

 ほんとうに不老不死になるのか? 人魚は伝説だと言っていただろう。それが全てだ。

 さあて、僕も今からご機嫌取りに行ったら、さわりだけでも聞かせてくれるだろうか。ちょっと試してくるよ。

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