最高傑作

雨笠 心音

最高傑作

本を開く。 

 海が突然現れる。

そのまま歩く。

 やわり、さわりと足が砂に沈む。

信号で止まり、溜め息を吐く。

 途方に暮れて、溜め息を吐く。

家まではまだある。

 向こうに人影が見える。

家に向かって、歩き出す。

 話しかけるため、歩み寄る。

 「すみません。ここはどこですか?」


本を閉じる。何だか、何かが動き出そうとしていることが分かった。本を閉じる。車に轢かれたくないから、前を向いて歩き出す。

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最高傑作 雨笠 心音 @tyoudoiioyu

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