第14話 龍の暴走
= side 結衣 =
これは涼介が龍と戦い始める少し前。
「ようこそお越しくださいました」
私たちはオルトンの街に到着した。
現地にいた騎士団の方々に出迎えてもらい、案内をしてもらう。
「綺麗な街だねー、結衣」
真央はさっきまで寝てたくせにもうはしゃいでいる。
「真央、勝手に行っちゃダメだよ」
そう言う私も内心では結構興奮していた。
まあこの1カ月、まともに外出できていないから当然ではある。
その後、私たちは現地の騎士の方に案内していただき、今日からこの街一番の宿を使わせてもらうことになった。
「ふぁー」
流石に7日間に及ぶ移動はかなりきつかったようで、宿につくとすぐにベッドに飛び込んでしまった。
「ふかふかだー」
思わず声が出てしまう。
涼くんなら絶対飛び込んでそのまま寝てただろうなあ。
私もこのまま寝てしまいたいけど、まだ昼過ぎだ。とりあえず真央を誘って昼ごはんを食べに行こう。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
2時間後
「美味しかったね」
「うん」
今は昼ごはんを食べて、真央と帰る途中だ。
2人で街を見ながら歩いていたのだが、突如地面が揺れた。
私たちは日本に住んでいた影響でそこまで驚きはしなかったのだが、この世界では地震がないのかして大騒ぎになってしまった。
騒ぎに巻き込まれる前に私たちも宿に逃げる。宿に駆け込むと騎士の方がこちらにやってきた。
「ユイ様!ご無事ですか?」
「はい、なんとか。それよりも何かあったのですか?」
私がそう聞くと騎士の方は少し難しい顔になってこう言った。
「守護者の封印が解かれたのかもしれません。現在、調査隊を編成して遺跡の調査に向かわせております」
「守護者というのは?」
「この街の地下で封印されている龍のことです。200年ほど前から封印されており、まだ解ける頃ではないのですが」
守護者が龍と聞いて驚く。
なぜ守護者と呼ばれているのかは別として、このままでは調査隊も死んでしまうかもしれない。
そう言った矢先、突如遠くから巨大な爆発音が聞こえた。
「龍が出てきたかもしれません。ユイ様にも来ていただけますか?」
「わかりました」
私がそう答えると、騎士の人は軽く頷いてから爆発音がした方に向かって案内をし始めた。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
= side 涼介 =
まずい、龍が外に出てしまう。
あの後、俺は柱に当たらないようにうまく避けながら龍に攻撃していた。
だが、龍に俺の狙いがバレたのか、突如自らも巻き込む大爆発を起こし、柱を破壊しやがった。
「くそ。ここが森の下でよかった」
一応この遺跡は街の地下とは言えども龍がある場所は少し離れた森にある。
だが、この距離では龍なら一瞬で行けてしまうだろう。
俺は龍の開けた穴に向かって飛ぶ。
穴の手前で止まると龍に向かって巨大なウォーターボールをぶつけてやる。
ウォーターボールが当たった龍は衝撃を消しきれずにそのまま落下した。
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