【⚫︎藩領民総合版 諸事万端相談スレ 妖を見し故相談したき旨】より抜粋 3/1
以下は佐川氏から頂いたUSBメモリの中に保存されていたテキストデータです。
***
一:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
失礼。拙者、先日奇っ怪なものを見もうして、スレ民の皆々様に語らせていただいてもよかろうか?
二: 名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り
てやんでい!なんでお侍がこんなスレにいるんでいてやんでい!
三: 名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
相済まぬ。下らぬと思われるかも知れませぬが、武士の面目というもので同僚や殿に話すわけにもいかず、斯様なる匿名の板なれば、と
四:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り
てやんでい!度胸がねぇお侍だぜべらんめい!
五:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ:
マジに侍?刀上げろよ
六:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
そうだぜてやんでい!釣りは寒いぜべらんめい!
七:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九:
まぁまぁ、いいでねぇか。そいでお侍様、一体何を見たんで?
八:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
忝い。順を追って説明させていただく。
九:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ:
刀見たい
十:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
少々待たれよ。まずは話をさせていただきたい
十一:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ:
刀早よ
十二:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九:
無視してお話しくだせぇ
十三:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
おうよてやんでいべらんめい!刀なんざそこらを歩いてりゃ見れるってんでい!ちゃっちゃと話すんだぜてやんでいべらんめい!
十四:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
>>十三は江戸っ子に憧れてんのかい?
十五:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
べ、別にそんなこたぁないぜてやんでいべらんめい!
十六:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
ああ、江戸はいいところでござるよな。実は此度の話も参勤交代の帰りのことなのでござるよ
十七:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
江戸に行ったのかい!?く〜〜〜、侍ってぇのはずるいねぇ!
十八:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
いやいや、江戸は良いが道中が大変でござる。行きも帰りもへとへとでござった
十九:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
へん!おいらたちの年貢で暮らしてるんだからそのくらい当たり前だってんでい!
二十:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
まっこと、そなたの申される通りでござるな
二十一:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
なんでい!ずいぶん物分かりがいいじゃねぇかてやんでい!で!江戸はどうだったんでい!?
二十二:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
いいところでござったよ。町並みは華やかでござるし、活気がある。何より江戸の女人は糞を垂れぬ
二十三:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
おうおうすげぇな!江戸の女は厠にいかねぇってのは本当だったのかよてやんでいべらんめい!
二十四:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
左様。歌舞伎役者も行かぬ
二十五:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り:
なんだってぇ!?じゃぁこの前肥料に買った市川團十郎の糞ってぇのは偽物かい!?
二十六:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID: ID:ぬふ二こま六九
偽物でござろう。市川團十郎は糞尿はもとより汗もかかぬ
二十七:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り
かーーー!騙されちまったぜてやんでいべらんめい!!團十郎人参で売り出しちゃったよべらんめい
二十八:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ
刀
二十九:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
お侍様、脱線してますぜ
三十:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
ああ、済まぬでござるよ。
三十一:わっしょい祭り開催:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:は七みゑ八八八が千
ござるござるー!
三十二:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
それでどこまで話し申したか
三十三:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
参勤交代の帰りに何かを見たってぇお話でしたぜ
三十四:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
ああ、左様左様。拙者は此度の参勤交代、騎馬で伴っておったのだが……帰りに例年通る野鯨山の山道で吊り橋が落ちておってな
三十五:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も七六ぐふ二二り
なんでい、それで最近野鯨山に何人も出入りしてんのかいてやんでい
三十六:わっしょい祭り開催:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:は七みゑ八八八が千
おうまさんぱかぱかー!
三十七:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
うむ。早く修繕せねば交通が滞るゆえな。まぁ、とはいえ当然他の道もあるにはあるのでござる。引き返して坂船山を回り込む道を通ることにしもうした
遠回りなので普段使うことはないが傾斜は緩く道が平らで景色も良い。向かいにはいつも通る野鯨山が見える
「次からはこちらの道を使っても良いかも知れませぬね」
「悪くはないがやはり時間がかかるのが難点であるな」
殿と他の藩士がその様に会話をしているのが聞こえ、のどやかな雰囲気でござった。
そのまま無事に山を越えられればよかったのだがな
三十八:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
そこで何かあったと
三十九:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:二もも八み九一ぞの
これ釣り?
四十:わっしょい祭り開催:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:は七みゑ八八八が千
さかなー!
四十一:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
人も増えてきたようでござるからある程度は流すでござるよ
四十二:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
へい。是非に
四十三:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ
刀はよ
四十四:わっしょい祭り開催:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:は七みゑ八八八が千
ざぶーん!
四十五:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
特にこいつらは無視して話を進めてくだせぇ
四十六:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
うむ。もうすぐで山を降りると言うあたりになって、野鯨山に白い筋の様なものがあるのを見たのでござる。木々の間から何か縦に長いものが突き出し、上下に伸び縮みを繰り返している
蛇の様に見えないでもなかったが、向かいの山から見てあの大きさだと一間と数尺はあろう。何事かと思い、目を凝らしてみたのでござる
それはな、人間でござった。男か女かもわからぬ真っ白い裸の人間が腹から上を突き出して、伸び縮みしている
奇妙なことに相当に離れていて全体の造作はぼやけているのに、目だけははっきりと見えた。
ニタリと笑う様に歪んだ、瞳の大きな目
その目が拙者の方を見つめているのでござる
全身から汗が吹き出して、喉が酷く乾く感じがしもうした。馬上で全身が硬直してしまった
四十七:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:も六七うらぬ一九
そんなおっかないものが……
四十八:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:二もも八み九一ぞの
嘘丙
四十九:名もなき⚫︎藩士:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
おお、嘘乙のひとつ下
五十:名もなき⚫︎領民:
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:うし六六ののか九五い:
ちょっと好き
五十一:名もなき⚫︎領民
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:こぬるさ三八いゐ
刀はよ
五十二:名もなき⚫︎藩士
宝暦十二年/文月/廿日/戌の刻
ID:ぬふ二こま六九
話をもどすが、拙者がしばらく呆けておると突然馬が暴れ出した。暴れた、というと正確ではござらんな。痙攣し始めた、というか何かに怯えた様に顔を左右に振って、そのまま泡を吹き出したのでござる
慌てて下馬すると、馬はそのままパタリと倒れて死んでしまった
山の方を見ると、もうさっきの白い人間はいない
結局、馬は病死ということになり、拙者はその後は徒で行列に随伴した。
皆馬が死んだことを気の毒がって拙者を慰めてくれ他のでござるが……帰路の道中、拙者の頭の中には馬の死に顔がずっと焼き付いて離れなんだ
いや、今もだな
拙者の馬が死ぬ直前、その黒目がちな目に、ニタニタと笑う様に歪んだのでござる
その目は、あの人間もどきの目にそっくりでござった
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