仲良しグループで過ごす夏祭り。意中の相手を想う少女の一日を切り取った連作です。

ひとつひとつの短歌はほんの1コマを描くだけなのに、情景が鮮やかに浮かび、31文字では描ききれない物語が自然と頭に浮かびます。
まるで小さな小説を読んでいるかのよう。

作者様の表現力とセンスが光る作品で、少女の夏休みの恋の一場面が見事に紡がれています。

彼女の恋がどうか実りますように――

和歌の中に、方言の会話の盛り込まれているところ、日本のどこかの場所での熱いなつまつりを想い起こさせてくれて、良いです。なつまつりの始まりから終わりまで、10首連作で表現されてて、心情や風景、伝わってきます。会話、気持ち、情景のバランス絶妙です。