79-3・紅葉&響希出動不許可~麻由の迷い~南の焦り
-陸上競技場-
「モモネセンセー、なんでっ!?」
「妖怪が出現しているんですよ!出動許可を下さい!」
紅葉&響希が、学校にロクロ首が出現したのを感知したのは、トラックを走っている最中だった。練習を放棄して、索敵したであろう百萌音に「練習を抜ける許可」を貰おうとしたのだが、百萌音は練習を投げ出したことを注意するだけで、出動許可をくれない。
「貴女方も感知しているでしょ?学校に残っていた葛城さんが対応しているわ。
ロクロ首程度の妖怪なんて、葛城さんだけで充分よ。
響希ちゃんと源川さんが援護に行く必要は無いわ。
余計なことを考えていないで、練習に戻りなさい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」×2
互いの顔を見合う紅葉と響希。百萌音の言い分は正論だ。ロクロ首は中級クラス。寄って集って袋叩きにしなければ倒せない妖怪ではない。百萌音を論破できる材料が無いので、渋々と練習を再開する。
「やれやれ・・・少し面倒臭いことになりそうね。」
百萌音は、練習に戻った紅葉と響希を眺めながら溜息をつく。実際に‘普通の中級妖怪’ならば、セラフだけで楽勝だろう。だけど、出動をさせなかった理由は別にある。ロクロ首は‘普通の中級妖怪’ではなさそうだ。先日、百萌音が発生させた龍と同じように、養殖で強化をされている。妖怪をクラスチェンジさせられる者など、最上級クラスしかいない。百萌音はロクロ首など育てていないし、酒呑童子が嗾けたとは思えない。
「慎重な大嶽丸が出てくるとは思えないから・・・おそらく天狗くんでしょうね。」
そんな物騒な現場に、響希を晒したくはない。紅葉が危険な目に合うのは構わないが、「紅葉は出動OK」「響希はNG」ってワケにはいかないので、纏めて許可を出さない事にした。
「あのオバサン・・・今日もいるわね。」
百萌音は、単独でトラックを走っている‘どう見ても十代には見えない他高校の女子選手’に視線を移す。気配の消しからが見事なので、百萌音以外には気付かれていないが、紅葉の母・有紀だ。ポケットに入れていたYケータイが着信音を鳴らしたので、コースアウトをして通話に出る。着信の相手は紅葉の父・崇だった。
「どうしたの崇さん?急用かしら?」
〈やぁ、ママ。紅葉はどうしている?〉
「競技場で走っているわよ。
妖怪討伐に向かうつもりだったけど、諦めたみたいね。」
〈それは良かった。〉
「あら、どういう事?」
〈詳しい説明はあとでするけど、紅葉を参戦させたくなくてね。
今出現しているロクロ首は、チョット様子がおかしい。
おそらく、自然発生ではなく養殖だ。
養殖主の気配は掴めないけど、多分、この戦いは、監視をされている。〉
「!!!」
有紀は察した。紅葉の‘討伐妖怪を支配下に置く’才能は、20年前に、大嶽丸に狙われ、酒呑童子が保護をした力だ。戦いを監視しているのが大嶽丸派閥の者ならば、「紅葉は真っ先に潰さなければならない」と気付かれてしまう。
「ついに、この時が来たのね。」
〈君にばかり負担をかけて悪いけど、僕と粉木さんで手を打つまでは、
紅葉がフィニッシャーになるような戦いは避けてほしいんだ。〉
「解った。何とかするわ。」
〈頼んだよ。〉
まだ第一線で妖怪討伐が出来る有紀が前線から退き、期待の若手・佐波木燕真に文架市防衛ではなく各地調査の任務を与え、幼い紅葉を妖怪討伐の第一線に立たせたのは、この時の為。紅葉が生まれた時から持っていた才能を「守らなければならない賞品」ではなく「敵を倒す武器」として育てる為。誰だって、可愛い我が子を、辛い戦いになんて送り込みたくない。だけど、紅葉に、類い希な才能が有るのなら、紅葉に託すしかない。戦いを課す代わりに、常にストーキングをして、精一杯のサポートをするのは、母親の義務なのだ。
通話を終えた有紀は、何食わぬ顔で‘他高校の陸上部員’にフリをしてコースに戻った。紅葉は‘学校で発生していること’を気にしながらも、短慮を起こさずに練習を続けている。
-優麗高・体育用具室-
ロクロ首は、伸ばした手でセラフを天井に押さえ付けたまま、首を伸ばして振り回し、床に放置されたエレキギターに、頭を叩き付けようとする!
「わぁぁっっっっっっ!!!」
用具室に飛び込んできた真奈が、無我夢中でエレキギターを胸に抱えて、そのままスライディングで、ロクロ首の頭を回避!硬質化した頭が、用具室のコンクリート床に叩き付けられた!ギリギリセーフ!あんな攻撃を喰らっていたら、豊沢愛のエレキギターは粉々にされていただろう。
〈私の邪魔をしないで。〉
「邪魔するに決まってんじゃん!
愛ちゃんが大切にしているギターを壊そうとするなんて最低っ!」
〈私は、皆のためにやっているの。〉
「これのどこが、皆の為なの!!?」
肩紐を肩にかけて、エレキギターを庇うようにして背負い、ロクロ首に向かって構える真奈!脳内で、ジャンヌをイメージする!しかし、真奈とジャンヌの意識が繋がるより先に、ロクロ首は硬質化させた頭を、真奈目掛けて振り下ろしてきた!
「危ない、真奈さんっ!!」
様子見をしている余裕が無くなったセラフは、天井に抑え付けられたまま気合いを発して、全身から光のオーラを放つ!抑え付けていたロクロ首の両手が光で灼かれて握力を失い、自由に動けるようになったセラフは床に着地!直ぐさま、ロクロ首の頭上目掛けて手の平を翳して光弾を発した!光弾は強い光を放って用具室中を照らして、障害物は強い影を作り、ロクロ首を灼く!急激に弱体化をしていくロクロ首!
〈イヤだ・・・イヤだ・・・イヤだ・・・消えたくない。〉
その気になれば、ロクロ首程度の妖怪など即座に無力化できるほど強いと言うべきか、相変わらず、追い詰められなきゃ「その気」にならない超スロースターターと言うべきか、この調子ならジャンヌを呼び寄せる必要は無さそうだ。
ロクロ首は、全身から闇を蒸発させて消耗し、堪えきれずに、折り畳まれていた卓球台の影に隠れた。
「勝負アリだね、麻由ちゃん。」
「・・・ですね。」
セラフが念糸の矢を射て、ロクロ首を貫けば討伐は完了する。それどころか、真奈が手動で卓球台を動かして、遮蔽物を撤去するだけでも、決着は付きそうだ。
〈イヤだ・・・イヤだ・・・イヤだ・・・消えたくない。〉
「ダメ!消えてもらうよ!
友達が大切にしている楽器を壊そうとしたのは許せないからね!」
〈私は、皆のためにやっているの。〉
「ふざけないで!どこがどう‘皆の為’なの!?」
〈イヤだ・・・イヤだ・・・イヤだ・・・
この力を失ったら、私、何も無くなっちゃう。
『要らない子』はイヤ・・・私の選択が正しいって・・・みんなに解って欲しい。〉
「コイツ・・・何言ってるの?」
「こ、この妖怪は・・・」
真奈は、折り畳まれた卓球台に体重をかけて、押し始める。しかし、セラフは、行射の姿勢になるどころか、空中に浮いている光球に向かって気合いを発して掻き消した。眩い光が消えて、用具室内は、通常の薄暗い照度に戻ってしまう。
「・・・えっ!?麻由ちゃん、なんでっ!?」
卓球台の裏に隠れていたロクロ首は、全身を闇の霧に変えて、窓の隙間から逃走!真奈は、慌てて用具室から飛び出してロクロ首を探すが、妖気を感知できない真奈では、どこに飛んで逃げたか、見付けることはできなかった。
「南側に逃げて消えました。もう学校近辺にはいませんよ。」
変身を解除した麻由が、用具室から出てくる。真奈は、今の一連を納得できず、麻由に駆け寄った。
「追い払ったからOKじゃないでしょ!
強すぎて、追い払うだけで精一杯って妖怪でもないでしょ!
なんでトドメを刺さなかったの!?
アイツ、軽音部の皆を怖がらせて、大切な楽器を壊そうとしたんだよ!
解ってるの、麻由ちゃん!」
「はい、把握しています。だからこそ、倒せませんでした。
ロクロ首を祓ったとしても、根本は解決しませんから。」
「・・・え?」
「ロクロ首を倒したとしても、依り代は、別の妖怪に憑かれてしまうでしょうね。
また、軽音楽部の皆さんが襲われてしまうかもしれません。」
「どういうこと??」
「真奈さんならば、ロクロ首の意思が、どなたの物なのか・・・
見当が付くのでは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
真奈は、麻由に促されて、ロクロ首の言葉や行動を思い出しながら思案をする。
「楽器を壊したら軽音部員達が喜ぶ?・・・そんなの有り得ない。
どこがどう皆のための行動?力を失ったら何も無くなるのは当たり前でしょ。
軽音部員達を妨害する力など、無い方が良いに決まっている。
「わ、解らないよ。麻由ちゃんの言いたいことが解らない。
私の知っている人の中に、愛ちゃん達みたいな良い子に、
嫌がらせをする最低な奴なんていないよ。」
「・・・そ、そうですか。」
「アイツ(ロクロ首)の依り代って、一体、誰なの?」
「私には、まだ確証は無いので、もう少し時間を下さい。」
麻由は依り代に一定の予想をしていたのだが、真奈が「知り合いにはいない」と言い切ってしまったので、それ以上は何も言えなくなる。
-数時間後・駅東地区の矢吹家-
南が家族と食卓を囲んでいる。母親が「試験結果はどうだった?」と訪ねるが、南は疲れた表情で「まぁ、それなり」と答えるだけで、トップを取ったことを自慢しようとしない。
「・・・ごちそうさま。」
「あら、もう要らないの?何処か具合でも悪い?」
「いや、大丈夫。」
割り当てを半分も残して箸を置く南。席を立ち、そそくさと階段を上がって、2階の自室に戻る。
「やぁ、調子はどう?」
「えっ!?」
部屋の窓が開いており‘招いた覚えはないが面識のある少年’が、窓枠に器用に腰掛けて待っていた。驚いた南は声を上げようとするが、青年が、人差し指を自分の口に当てて「しぃ」とゼスチャーをしながら軽くウインクをしたので、声を飲んで気持ちを落ち着ける。彼が、いつ家に上がり込んだのか、南は全く把握していない。
同年齢くらいの顔立ち整った少年。彼は、最上級妖怪・天狗。人間態の名など必要無いのだが、便宜上、天道顕仁と名乗り、無駄に目立たない為に、南の前では‘普通の人間’を装っている。
「天道・・・さん?どうしてここに?」
「しいて言えば、君が心配だから・・・かな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
南は、怪訝そうな表情で、天道顕仁の顔を見つめる。彼女が顕仁と会ったのは、これが2回目。いきなり、馴れ馴れしく家に押し掛けてきたのも不満だが、南が表情を曇らせた原因は、それとは別の理由がある。
「僕があげた力はどう?役に立っているのかな?」
最初に彼が南の前に現れたのは、1学期の中間テストの順位が貼り出された直後だった。
-約1ヶ月半前-
貼り出された順位表の前に生徒達が集まって、「上がった」「下がった」と一喜一憂をしている。
「うわぁっ、凄い!
生徒会長が1位で、お尻先輩は47位で、ペッタン先輩は57位!
でも、アホ毛先輩は181位なんだ!?1人だけおバカさんなのかな!?」
紅葉が、順位急落を見て青ざめていたところに、ワザワザ3年生の成績を見に来た響希が神経を逆撫でする。
「おバカぢゃないもんっっ!!
今回は、他にも色々あって、忙しかっただけだもぉん!!」
「先輩は、部活はやってませんよね!?」
紅葉と響希が口論を開始して、周りに居た美穂や真奈や清華や七菜が呆れながら眺める。その集団から離れたところで、矢吹南が自分の順位を確認して溜息をついた。総合88/420位、文系45/120位。文系特進を除く一般クラス内では上位になるので、決して悪い順位ではない。だけど不満だった。
学年末試験で特進クラスを逃した南は、徐々に焦るようになる。いつまでも好きなことばかりやってられなくなり、受験勉強に専念する為に、軽音部はゴールデンウィーク中に開催されたバンドコンテストで引退をした。3年生4人が抜けると、2年生でギター担当の野中彩と、新入生でキーボードを希望している望月仁絵と、ドラムを希望する足立明日美が残る。今までと比べて、メンバー不足感は否めないが、演奏を楽しむには充分な人数だ。南は、仁絵のことを後継者にするつもりで育てていた。
だけど、てっきり、3年生の仲間全員が「これで引退をする」と思っていたのに、「引退」を口にしたのは南だけだった。仲間達は南の発言に驚いたが、南も仲間達の考え方に驚かされた。中井聡&豊沢愛&日山陽は、秋の優麗祭が終わるまでは、軽音部に残るつもりらしい。
仲間達は南の引退を引き留めたが、南としては、「あと1ヶ月」ならともかく、あと半年も‘受験勉強の専念’を遅らせるつもりは無い。最後は「皆も、もう少し受験生って立場を真剣に考えるべき」と言い捨てて、意見の溝を埋めることができないまま軽音部から去った。
だけど、その結果が今回の順位。2学年末試験よりも、僅かに下降してしまった。未だに好きなことを優先させている軽音部員達に対して、「そんな余裕は無い」と、「やりたいこと」よりも「やらねばならないこと」を選んだ結果を見せつけたかったのに、思い通りにはならなかった。
放課後になり、軽音部の活動をする為に教室を出て行く昔の仲間達を尻目に、1人で落ち込みながら帰宅をする南に声をかけた者がいた。それが、天道顕仁だった。
「やぁ、随分と落ち込んでいるみたいだね。力を貸してあげようか?」
第一印象は、「爽やかな雰囲気のイメケン」なんだけど、「初対面でいきなり‘力を貸す’なんて怪しい」と感じた。新手の宗教の勧誘、もしくは、弱っている子に甘い言葉を掛けるナンパかと思ったので無視をしたが、少年は追ってきて、しつこく声を掛ける。
「何なんですか?警察を呼びますよ!」
「別に、君を取って食おうってワケじゃないから安心してよ。
僕の名は天道顕仁。君の学校の卒業生でさ。
後輩が落ち込んでたから、ちょっと気になっちゃったんだ。」
「え?優麗高の卒業生なんですか?」
「うん、そう!ユウレイコウの卒業生なんだ。
それに、君の学校にタマキっているだろ?
彼女とは、古くからの付き合いなんだよね。だから安心して。」
「玉木百萌音先生ですか?」
「うん、そう!タマキモモネ!」
「優麗高の卒業生」は嘘かもしれないが、玉木百萌音が優麗高で教師をしている事実は、百萌音と無関係なら知り得ない情報だ。まだ全面的に信用する気にはなれないが、「一欠片も信用しちゃいけない相手」でもなさそうなので、南は足を止めて顕仁の話を聞くことにした。
天道顕仁はコミュニケーション学者らしい。コミュニケーション学が何なのかは、南にはよく解らなかった。だが、会話をしていみると、彼の巧みなコミュニケーション力によって、腹に溜まっていた不安を打ち明け始めていた。最初は怪しい軽薄男だと思っていたのに、いつの間にか、「話しやすい知人」と認識するようになっていた。
「へぇ・・・そっか。学校の成績がねぇ。色々と大変だね。
これも何かの縁って事で、頭が良くなるツボを突いてあげようか?」
「・・・えっ!?」
なんだかんだと優しい言葉を掛けて安心させて、適当な理由を付けて、最終的に‘ベッドがある密室’に連れ込むパターン?イケメンだし話しやすいとは感じたけど、そ~ゆ~関係は望んでいない。南は、警戒をして一歩退いたが、顕仁は見透かしたようにして爽やかに笑う。
「『そのつもり』は無いから安心をしてよ。
君の意思にそぐわないことをして、タマキモモネを敵に廻したくないからさ。」
顕仁は、素早く南の腕を掴んで後ろを向かせて、指で腰を軽く一押しした。
「きゃっ!」
「はい、これで終わり。頭が良くなるツボを突いたよ。」
「・・・え?」
腰を軽く叩いただけでツボを押した?腰に頭が良くなるツボがある?・・・てか、たったこれだけで頭が良くなるなんて信じられない。
「ただの、おまじない?」
南は振り返りながら、しばらく腰を撫でてから、顕仁の方に視線を向ける。
「・・・・・・・あれ?」
ついさっきまで隣に居たはずの顕仁の姿は、何処にも無かった。一瞬、「夢か幻でも見ていた?」とも考えたけど、実体が居た感触や、腰を叩かれた温度はある。彼は、間違いなく其所に居たのに、もう居ないのだ。南は、「不気味」と感じながら足早に帰宅をする。
言うまでもなく、腰を叩かれただけで頭が良くなるワケなんてなかった。1回読んだだけで全部覚えるとか、問題を見ただけで答えが解るなんて有り得ない。学校の授業でも、家での自学でも、国語の読解力も、数学の計算力や応用力も、英語の暗記力も、今までと変わらない。南は、「アレは結局なんだったのか?」と不思議に感じながら、今まで通りの受験勉強を続けた。
最初に「おかしい」と感じたのは、1週間後に行われた英語の月例小テストの時だった。テスト用紙を眺めた瞬間には、「ヤバい」「難しい」と思ったのに、攻略を開始した途端に楽々と解答できるのだ。覚えていなかったはずの英単語が読める。解らなかったはずの複数形や過去形や過去分詞が書ける。問題文をキチンと理解出来ていないのに、「正しい解答をしたい」と考えると、何故か答えが解ってしまう。自分とは違う何かが解答をしているような感覚。正確に言えば、南の中に‘別の何か’が居て、模範解答を見て、南に答えを教えてくれるような錯覚。それは、国語や、苦手な数学の小テストでも同じだった。
何かのスイッチが入ることで、解答が楽になる。「これが優等生の証?」と喜んだのは、最初の1週間程度だった。2週間目には些細な違和感になり、実力で得た知識ではないように思えて、天童顕仁に「頭が良くなるツボを突いた」と言われたことを思い出す。
そして、「このままではマズいのではないか?」と漠然と不安を感じながら挑んだ一学期末試験で、よく解らないままトップになってしまったのだ。
軽音部メンバーの‘南を見る目’が変わったのは自覚した。過去の仲間達に「今からでも間に合う」「引退をして勉強に集中するべき」と言いたかったが、南自身が何故トップを取れたのかが解らなかったので、歩み寄ることができなかった。
天童顕仁は「玉木先生の旧知の仲」と自己紹介をしていた。だから、百萌音に「天道とは何者なのか?」と相談をしたいんだけど、相談をしたら「南のやっていることは不正」と言われるような気がして相談ができないまま、時間だけが経過をする。ハッキリと違和感を感じ、「これは自力とは別の力」と自覚をしながら、「その力が無くなったら、また成績が落ちてしまう」と手放すことを恐れていた。
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