第14話「裁きの翼、折れる時! セラフィム戦、開幕!!」

神律領域エリシア──


そこは“神の論理”だけが支配する空間。


重力も、因果も、存在の定義すらも、

セラフィムが定めた“律”によって変えられる世界だった。


「この領域において、あなたの剣は意味を持たない」


セラフィムが静かに言う。


「神律命令:対象の存在理由を0へと書き換える」


バチィィン!!


レガリアの身体が一瞬、霧のように“揺らぐ”。


「……ッ、体が……存在できない……!」


(こんなの……存在そのものを“削除”する力!?)


セラフィムの手には、六枚の光の剣。


それぞれに刻まれた名は――

《清》《律》《秩》《罪》《戒》《断》。


「私の剣は、“意味”を断つ。

 あなたの名前も、記憶も、感情も……全て、0へ還す」


6本の剣が空中を舞う。


ガギィィィィン!!!


レガリアは《リゼロス》で防ぐが、そのたびに“感覚”が削れていく!


「(ダメ……このままじゃ、“私が私でいられない”……)」


その瞬間、意識が“ブラックアウト”した――



回想:転生前の記憶(断片)


舞台は、現代日本。

名前も顔も出てこない。ただ、誰かの“声”が聞こえる。


「……こんな世界、何も意味なんかないじゃん」

「努力しても報われなくて、正直者が損して、声が届かない」


「……でも、あのとき、君が――手を握ってくれた」


「“私”は、初めて“この世界にいてもいい”って思えたんだ」


声だけが、世界を満たしていく。



現実──


「っ……私は……“いたい”……!」


その言葉が、空間を拒絶する。


「私はここにいる!! “誰かの手を、二度と離さない”って――そう誓ったんだ!!」


ズギャァァァアアアアアッ!!!


《リゼロス》が、光を放つ!!


「《拒絶律式・零双展界(リゼロ・ディバイド)》ッ!!!」


空間を“拒絶する”一撃が、セラフィムの《断》の剣を破壊する!


ガギィィィン!!!


セラフィムの表情が初めて“揺れる”。


「……この感情、これは……」


レガリアの姿に“かつての誰か”を重ねたかのように、

セラフィムの瞳に、わずかな“人間性”が浮かぶ――


「あなたは……あの時の……」


「え……?」


その瞬間――


ギュオンッ!!!


背後から、黒い手が空間を引き裂いた。


「ごめんなさい、セラフィム。

 “あなたの役目”は、ここで終了よ」


現れたのは――


新たな黒衣の審問官・ノワール


漆黒のローブに、血のように赤い瞳。

その存在だけで空間が歪む。


「この子をここで殺すには、まだ“早い”の。

 ねえ、レガリア――あなたには“もっと深い罪”を思い出してもらわなきゃ」

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