第22話 Girls Love Girls

「そっか」

 サチさんに一連の話を聞いた。

 彼女の昔のことも……何を思ってたのかも。

 すごく…腑に落ちた。

「俺がサチさんとやったのって…良くなかったのかな」

 悪いことをした気になったから。

「まあ、あの時はあの時でしょうがなかったんじゃない? きっと…助かったと思う。沙月君は私のこと助けてくれた」

 本心か慰めかは分からないけど…僕もそう思うことにする。

 二人が恋に落ちたんだから…それは幸せな記憶がいい。

「二人で…乗り越えられたんだね」

「うん」

 それは凄く素敵なラブ・ストーリーだと思う。

 僕には付け入るスキがないぐらい。

 僕の出番はもう終わった。


「じゃあね」

「うん。またね」

 だけど、心の底ではまだ名残惜しかった。

ちゃんと、引きずってる。

 二人とも──愛してたから。


 それから、バイト先をやめた。

『急に辞めてどうしたの?』

 ってLINEが来たけど、返せなかった。

 二人とも、ブロックしてその後のことは分からない。


 

 それから僕は高校の先生になった。

 もう、それもずっと昔のことだ。

 今年は一年生の担任で…それも何度目かだから、慣れたものだ。

 ただ、入学したての子供たちを見ると、特別新鮮な気持ちではある。

 これから…何かのちょっとした一助になれればと思う。

 これまで見送った生徒達にも…少しは役に立てただろうか。

 人生の一コマに、少しは関われただろうか。

「小島、佐野」

 朝のホームルーム、出席の名前を呼んでいく。

「鮫」

「はい」



                      ----------続くかも?

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Girls Love Girls 堀と堀 @poli_cho_poli

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