第22話 Girls Love Girls
「そっか」
サチさんに一連の話を聞いた。
彼女の昔のことも……何を思ってたのかも。
すごく…腑に落ちた。
「俺がサチさんとやったのって…良くなかったのかな」
悪いことをした気になったから。
「まあ、あの時はあの時でしょうがなかったんじゃない? きっと…助かったと思う。沙月君は私のこと助けてくれた」
本心か慰めかは分からないけど…僕もそう思うことにする。
二人が恋に落ちたんだから…それは幸せな記憶がいい。
「二人で…乗り越えられたんだね」
「うん」
それは凄く素敵なラブ・ストーリーだと思う。
僕には付け入るスキがないぐらい。
僕の出番はもう終わった。
「じゃあね」
「うん。またね」
だけど、心の底ではまだ名残惜しかった。
ちゃんと、引きずってる。
二人とも──愛してたから。
それから、バイト先をやめた。
『急に辞めてどうしたの?』
ってLINEが来たけど、返せなかった。
二人とも、ブロックしてその後のことは分からない。
◇
それから僕は高校の先生になった。
もう、それもずっと昔のことだ。
今年は一年生の担任で…それも何度目かだから、慣れたものだ。
ただ、入学したての子供たちを見ると、特別新鮮な気持ちではある。
これから…何かのちょっとした一助になれればと思う。
これまで見送った生徒達にも…少しは役に立てただろうか。
人生の一コマに、少しは関われただろうか。
「小島、佐野」
朝のホームルーム、出席の名前を呼んでいく。
「鮫」
「はい」
----------続くかも?
Girls Love Girls 堀と堀 @poli_cho_poli
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