色褪せないたしかなもの

『写真屋の店前ヘップバーンおり僕だけ毎日ドキドキしてる』

とても可愛らしい歌。

ヘップバーンのポスターが貼られた古びた写真屋の佇まいと、それを当時見ていた「僕」の様子が自然に浮かんできます。
「僕だけ」ということから少し背伸びをした少年の心情を思わせます。

通学路にある写真屋のポスターを見るのが日課だったわけです。まわりの子は素通りするような写真屋のポスター。幼心に美しいと感じてしまったヘップバーンの美貌と、自分だけが唯一気がついてしまったかのような優越感。全てを見透かしたかのような彼女の視線が刺さり目を逸らしてしまうような。そんな情景が浮かびました。

それぞれの言葉が収まるところに収まり可愛らしさを演出しているところが好きです。

素晴らしい作品をありがとうございました。