"好き"が嫌い
誰かの何かだったもの
偽名で始まった幸せは、やがて罪に飲まれた
"好き"が嫌い
何故なら、俺のことを弄んだやつがいるからだ
俺のことを痣が出来るまで殴り、足をほぼ動かすことが出来ないぐらいに炙り、俺に対して精神的な攻撃もした奴がいるから。
でも、あいつもきっと、何かしらの理由で俺を倒したかったのかな...
俺の本当の名前は「偽ぎ」。
俺は別の世界で嘘をつき、人々を混乱にまで追い込み、最終的に人間共が残酷な戦争まで起こしたという非道で外道な罪を犯した。
それは他の世界にまで広がった。
その時は罪悪感が無かった、むしろ快楽だったけど、"真実を言う英雄"によって"偽り"と言う存在が消え去る危機が襲ってきた。
俺は消え去る前に、別の世界に逃げていた時、楽しそうな世界を見つけた。
"想像世界"...
最初の目的はこの世界も偽りで埋め尽くすつもりだった。
だけど、俺は美しい金髪で優しい目をしていた女性を見つけた。
その名もアリス。
アリスは俺が凶悪な存在だと言うのに優しく接してきた。
挙句には「よければ私の城で過ごしませんか?」と言われて、俺は否定することなくアリスの城に入った。
その時焦って、名前を言う時に「"ニータル・ルータル"です!」って言ったのが今の俺の始まりだった。
アリスは優しくて、太陽の光が反射するほど美しい剣まで持っていた。
その内に段々仲良くなって、結婚までした。
その時のアリスの笑顔が美しくて、本来の目的を忘れるまでだった。
とある日、アリスの城に入ってきた怪しい人物が入ってきた。
彼は"病菜"と言う人物。
俺にとっては初めての親友になった人物で、その時はまだ幼いがる伯爵も連れてきた。
病菜はその時「アリスに高級な果物を渡す」目的で来ていただけで、そこまで仲がいいという訳ではなかった。
だがとある日、病菜と関わるようになった日が来た。
とある一通の手紙が来ていて、「良ければ我らのグループに入りませんか?」との内容が来て、アリスの許可を取り、その館に行った。
館の門の前に立っていると、病菜が俺の前に来て、「よぉ!君がこの薔薇組に入るやつかい?」と言ってきた。
俺はその時、初めて病菜と関わることが出来た。
病菜は力持ちで、誰にでもフランクで優しい人物だった。
確か、その時にブラックにも会ったはず。
いっぱい薔薇組の人達と話して、その日々も楽しかった。
そして数ヶ月後、なんとアリスに子供が、しかも双子も出来たと言っていた。
俺はすぐに城に戻って、子供の姿を見た。
その時が一番の幸せだった...
そう、数日間は...
しかし、悲劇は来た。
アリスは戦いで負けて亡くなり、子供も行方不明になった。
俺は初めて涙を流しながら発狂した。
その時から鬱になって、城の人達にも薔薇組にも迷惑かけてばかりで、自分が嫌になった。
それからずっと、自分で自分を傷つける行為をし始めた。
薬もいっぱい飲んで、ナイフで人の手首や腕に傷をつけた。
だけど、まだ悲劇は続く...
城に侵入者が入ってきて、俺に暴力を振るった。
足もほぼ動けなくなり、さらに精神は不安定になる。
だがその時、見たことのある顔と容姿が見えた。
そいつは、俺の正体が偽だと分かっていた人物だった。
...
もう、やめてくれよ...
アリス...娘達よ...
がる伯爵...ブラック...
そして、病菜...
もう好きって言わないでくれ...
好きが信じられなくなったから...
だけど...
そばにいて...
こんな俺だけど、寂しいんだ...
痛いのは...嫌だ...
好きって言われるのも...嫌だ...
病菜...助けてくれ...
「...ごめん、俺もニータル君のことは守りたいが...」
"好き"が嫌い 誰かの何かだったもの @kotamushi
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