定期通院、例外処方
今日は恒例の通院日だった。カウンセリングを受け、薬をもらう。三月から通っているため慣れたものだ。近場に図書館があるので借りていた本を返してからクリニックへと向かって歩く。
憂鬱だった……。
クリニックがと言うわけではなく、最近は色々なことが重なって色々と起きていた。
ちょうどよくカウンセリングの日が来たのは僥倖だった。
二週間ぶりに顔を合わせたOさんは相変わらず穏やかで優しげだった。
「こんにちは、ゆきさん」
「あっ、はい、こんにちは」
Oさんはおそらく患者さんをみんな下の名前で呼ぶ。
親近感が湧き、話しやすくするためだろうか……とかどうでもいいことを考えながら、最近あったことを話し始める。
詳細は申し訳ないが前回同様の割愛だ。不特定多数の目に残る場では絶対に書かないと決めている。
いろんなところでいろんなことがあった。たった二週間、されど二週間、職場で、家庭で、最寄駅で、SNSで、いろんなことが起きていた。
私の話す内容をOさんは頷きながらゆっくり聞いてくれた。
もうカウンセリングも四回目、私自身がかなりOさんにも慣れてきて、変に誤魔化したりせずに話せるようになっている。
時間内にしっかりと、聞いてほしいことを聞いてもらえた。
「それでは、今回はこの辺りで……」
「はい、ありがとうございました。たくさん話してしまってすみません……」
「いやいや、少しでもお役に立てればと思っています」
いい人すぎる……!
お仕事なのはわかってるんだけど、元の性格がかなり善で純なんじゃないだろうかと思う。
最近あったことを直接聞いてもらえるだけで満足感があるのに、そこにプラスしてOさんの人間性の癒し効果……プライスレスです。
カウンセリングの後の診察を待ちながらそうポワポワと考えていた。
「草森さん、どうぞ!」
と診察室から顔を出したT先生に呼ばれ、そうだまだ診察があるんだったと慌てて中に滑り込んだ。
「こんにちは、よろしくお願いします」
「はい、こんにちは。どうですか?」
「ああ、えっと、色々……」
カウンセリングで話した内容を口にしかけた瞬間、
「失礼します」
さっきまで話していたOさんが入ってきた。
おや!?と思っている間にT先生の隣までさっと歩いていき、T先生の前にあるパソコンを操作して何かを入力していた。T先生はOさんの入力内容を見ていた。Oさんは私を見てニコッと笑ってから頭を下げて退室していった……。
T先生はパソコンをチラリと見た後にこちらを向いた。
「失礼しました、それで、調子はいかがでしょう?」
え〜〜〜〜と、今、好きな男と好きな男のツーショットを初めて目にして、正直、めちゃくちゃ嬉しくて何を話そうとしたかわかりません……。
などと言うわけにはいかないので、カウンセリングで話した近況について口にした。
T先生は椅子にもたれかかりながら神妙な顔で話を聞いてくれていた。
「僕にもあるけどね、そういうの……慣れるしかないかもしれないね」
そうおっしゃって、同意ではあったので頷いた。
その後も色々と話し、いつも処方していただいているミルタザピンを多めに出そうということになった。
不安剤も考えたが依存性もあるらしく、少し怖いので今回は見送った。
もしも体調が一気に悪くなったり不安感などが大幅に増えて眠れなくなった場合に、ミルタザピンを二錠飲んで布団に入ってくださいとT先生は言った。
ありがたく処方していただいた。
こうして薬の量を増やしてもらったが、飲まずに過ごせるのであればそれに越したことはない。
次のカウンセリングと診察まで約二週間。
私のメンタルが安定しているように祈っていてほしい……。
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