グッバイ亜鉛、ハロー亜鉛

 今日はいつもの通院日だ。二週間に一度訪れる。すっかり暑くなり日傘が手放せない季節である……。


 カウンセリングを追加しているのでドクターのT先生との診察時間はかなり減っているのだが、今日はちょっと話をした。

 診察室に入りいつも恒例の「最近はどうですか」「睡眠は取れてますか」「食欲はありますか」などの質問が来ると思っていたら、先生はおもむろにこう言った。


「そろそろ亜鉛は足りたと思うので、亜鉛の処方はやめましょう」


 わりとびっくりした。亜鉛の処方……もういいの!?と……。


 なにせ亜鉛、前回の精神科エピソードでかなりすごい物質だと判明した栄養素なのだ。不足が続けば精神にも影響があり、鬱にも関係すると私が調べた時にはでてきた。

 そんな亜鉛をもう処方してもらえない……?

 正直めちゃくちゃ不安であった。

 だからふつうに問い掛けた。


「亜鉛……本当に飲まなくても平気ですか……?」

「ええ、とりあえずは足りてます」

「今後を考えるのであれば、サプリなどとったほうが……?」

「あ、それは良いでしょうね。ドラッグストアで簡単に手に入りますよ」


 確かに近所のマツ◯ヨに売っていた気がする。余談だけれど散歩を趣味の一環にしてから近所のマ◯キヨにふらっと入る頻度が増えて、店員さんに完全に顔を覚えられている。そんな中で亜鉛を買い始めるとどう思われるだろうか。ただでさえプロテインを購入し始めた筋トレおばさんなのに……。

 悶々と考えているうちに先生からの問い掛けが変わった。


「仕事はいかがですか、メインで働かれている職種のほう」

「あ、なんか意地の悪い人(私の日常日記であるこちら参照

6月18日 仕切りたがる女

やる気元気日記/草森ゆき - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330648998342822/episodes/16818622177413552610 )がいるんですけど、まあ距離を離しているのでとりあえずは大丈夫です」

「ふっ、ははっ、そうかそうか、それはよかった」


 この先生の反応、ちょっとよかった。特に「ふっ、ははっ」がちょっとよかった。えーこれ好きな攻めの笑い方かも〜?と思った。

 だから次の「小説のほうはいかがです?」という質問が来た時に、うっかりぶっ込んでしまった。


「それは〜〜……カウンセリングでOさんに聞いて頂いてましてぇ……Oさんて……すごく良い方ですよねぇ………!」


 そう、私はメンタルドクターT先生とカウンセラーOさんに密かに萌えているのである……。

 そんな私のキモい心情には気が付かないまま、T先生は笑顔を見せた。


「そうですかそうですか、次回はいつ来られますか?」


 余裕のスルー、余裕のですよねという反応。汚い心の質問をしてしまい申し訳ございませんでしたと心の中で全力で謝罪した。


 私は次回予約を取り付けてから診察室を後にした。

 その後に行った薬局で改めて亜鉛が処方されていないと確認し、すこし不安になった。

 そんな私に薬剤師さんは亜鉛サプリの試供品を渡してくれた。


「良かったらお試しください、必要な栄養素ですので……」

「は、はい、ありがとうございます」

「お体大切に……」

「はい……!」


 このように本日の定期通院は終わった。


 さらば亜鉛、そしてこれからもよろしく亜鉛。

 試供品を飲んだあとはマツ◯ヨで亜鉛サプリを買ってきます。

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